研究課題/領域番号 |
16592184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 大阪府立大学 (2005) 大阪府立看護大学 (2004) |
研究代表者 |
川村 千恵子 大阪府立大学, 看護大学医療技術短期大学部, 客員研究員 (20281272)
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研究分担者 |
石原 あや 大阪府立大学, 看護学部, 助手 (20290364)
森 圭子 弘前大学, 医学部, 教授 (30175632)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 育児期 / 母親 / 助産師 / 語り / 育児支援 |
研究概要 |
育児期にある母親達の妊娠・出産・育児にまつわる体験の『語り』の内容とその意味づけを明らかにし、『語り』の条件設定を明らかにすることで援助方法の開発を目指すことを本研究の目的とした。 研究協力助産師は経験豊富で育児経験のある4名であり、面接技法をトレーニングした。対象は研究同意を得られた9ヶ月〜3歳児を持つ母親25名であった。 『語り』の実際では、様々なエピーソードが喜びよりもむしろネガティヴな感情を伴って表現されることが多いのが特徴であった。『語り』の意味づけは、質的帰納的に分析し、【信念や行動の変化】【新たな意味の生成】【秩序立て】【気持ちの刷新】【語りの場の保障】【時間の感覚】の6カテゴリーが抽出された。『語り』の効果は、母親自身の主観的評価、研究協力助産師の客観的評価の2方向から判定した。良い変化ありは13名、変化なしは12例であった。悪い変化へ移行した事例はなかった。1名は行動変容を起こすほど好転した事例があった。また、『語り』の条件を統計的に分析したところ、自宅面接のほうに面接時間が長い傾向があり、面接時間の長さが『語り』による効果に影響していた。また、子育て支援に望むことの問いに対する分析では、【行政に望むこと】【援助機関に望むこと】【子どもを預けられる場所の拡大】【母親自身への援助】の4カテゴリーが抽出された。これらの結果から、母親の孤独感を癒し、個へ関わることができる『語り』は、地域で生活する健康な育児期の母親への援助方法として有用であることが見出された。 さらに、育児期にある女性の人生そのもののあり方に言及が可能であることから、女性の生涯発達への支援につながることが示唆された。今後、『語り』の効果の評価方法と援助の展開方法を検討することが課題である。
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