研究概要 |
<全体概要> ・全国の精神医療施設(100床以上)の病棟勤務看護職を対象に,「精神障害者への安全配慮」について行動レベルでの実施度の調査を行い,その結果を分析・解釈し,事故防止に必要なアセスメント能力について検討した。 <結果> ・520カ所の施設に協力依頼,承諾の得られた194施設に7,.374部郵送した結果回収された6,505部(回収率88.2%)のうち有効回答であった6,233部(95.8%)を解析対象とし,以下の結果を得た。 (1)全体として安全配慮行動得点は4点代(8割実施)であり,高い群は年齢の高い者,職位では主任・副師長,看護及び精神科経験数の多い者であった。職場環境充足度の認識の高い者は,年齢の高い者,職位では師長,看護・精神科勤務経験数の多い者であった。 (2)日常的な業務の安全配慮得点は,他の出来事項目(例:行動制限時・異動時・病棟外活動時など)に比べて低かった。日常的行動得点の高い者は,他の出来事(職場環境含めて)の得点が高かった。 (3)精神科経験年数5年以上の者の得点が高く,特に行動制限時・異動時・病棟外活動時では5〜10年未満,自己関連事項では20年以上の者の得点が高かった。 以上より,精神医療分野における<経験することの意味>を解釈した結果,以下のアセスメント視点を持って現状を再考することの重要性を確認した。 (1)日常的に,事故防止に繋がる情報収集と共有ができているか。 ・観察,施設管理,看護計画立案・評価,カンファレンス定例化,情報交換,基本厳守 (2)事故を未然に防ぐ先取りケアが実践できているか。 ・アメニティ環境への配慮,人員配置,チームワーク,システム化 (3)看護職が安心して業務に専念できる労働環境がシステムとして整備されているか。 ・職場環境,労働環境,安全管理体制,現任教育,サポート体制
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