研究課題/領域番号 |
16602003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表象芸術
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
北川原 温 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (00334483)
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研究分担者 |
廣瀬 通孝 東京大学, 先端科学技術センター, 教授 (40156716)
原島 博 東京大学, 情報学環, 教授 (60011201)
布施 英利 東京芸術大学, 美術学部, 助教授 (10229081)
熊倉 純子 東京芸術大学, 音楽学部, 助教授 (50345352)
川俣 正 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (50313309)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 空間芸術 / 表象芸術 / 道 / カオスの縁 / 情報空間 / パブリックスペース / 音 / 映像 / 都市空間 / 道空間 / コミュニケーション空間 |
研究概要 |
本研究は、都市の活力を引き出す新たなパブリックスペースの構築を目的としている。経済原理、法制度、都市機能の合理性や効率性を超えた、ヒューマンで創造的な道空間の実験的提示である。 まず「道」の語源や道空間を連想させるイメージを収集し、1冊のイメージブックを編集した。集められた空間イメージの中から、単純さや秩序とはかけ離れ、カオティックな様相を漂わせつつ一定のリズムを保つ状況に着目する。このような様相を、複雑系における「カオスの縁」に相当するものと推測し、それに付随する形態コードを模索した。 最終的に、音・映像を用いた実装実験として、都市・道における「カオスの縁」的現象を立ち上げることとした。予備的実験の後、ポルトガル・リスボンの特徴的街区で、現地リスボン工科大学の協力の下、展開した。 実験の1つは、"SOUND PASSAGE"と名づけた音のインスタレーションである。リスボンの実験では、街のアバンダンな地点を音で繋ぎ、グリッド状街区に円環状の音の領域を形成した。風や動きに呼応する音の環境に、街往く人々が導かれ、街の様相にやわらかな刺激を与えた。 他に、"IMAGE PROJECTION PSSAGE""INSTALLATION PASSAGE"と名づけた映像を用いた実験を行った。道幅一杯に、プロジェクターを用いた動画を投影し、人々の動きを記録した。 これらは、近代以降のモータリゼーションを基盤とした都市計画への対極的試みである。物質的な空間と共存する情報空間を、現実の街にプロットし、一人ひとりに働きかける。都市の魅力を再構築する、新しいパブリックスペースの手掛かりを得たと評価する。今後、より多くの都市環境の中で実験を試み、可能性を追求する。
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