研究課題/領域番号 |
16602006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表象芸術
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
安田 寛 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (10182338)
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研究分担者 |
塚原 康子 東京芸術大学, 音楽学部・楽理科, 助教授 (60202181)
HERMANN Gottschewsk (HERMANN Gottschewski) 東京大学, 大学院総合文化研究科・超域文化科学専攻, 助教授 (00376576)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 近代日本音楽史 / 国楽 / 唱歌 / 宮内省学部 / 皇典講究所 / 御歌所 / 音楽取調掛 / 権田直助 / 近代洋楽史 / 神教歌 / 宮内省楽部 / 保育唱歌 / 儀礼歌 / 雅楽録 / 近代洋楽吏 |
研究概要 |
反キリスト教的宗教的国家イヴェントとしての国楽創出に関わった機関と人物の解明が本研究の目的である。 音楽取調掛に関して、(1)加部厳夫、税所敦子と宮中の和歌派との関係、(2)彼ら御歌所につながる和歌の人脈と音楽取調掛との関係を解明し、(3)ピアノ教育に関し、「バイエル教則本」の導入にボストンのニューイングランド音楽院のピアノ教育の影響が大きく、これにはアメリカでのバイエル教則本の受容史が背景になっていることを解明し、「国楽創出」に新たな視点を得た。 ・雅楽に関して、(1)保育唱歌が発端になった「律旋・呂旋」の表示法が明治11年に試みられていた、(2)明治24、5年には海軍省・陸軍省からの依頼により、雅楽家が儀礼歌の旋律を新作されていた、(3)皇室祭祀における雅楽の曲目・回数は「皇室祭祀令」(明治41年)公布後の大正初期と、その改正(昭和2年)後の昭和初期に改定され、それが戦時期をはさんで戦後の宮内省改革後にも概ね継承されていたことを解明した。 ・皇典講究所に関して、(1)保育唱歌、皇典講究所唱歌の歌詞に出現する「かみ」という言葉が、明治13年を境界線に根本的に変化した、(2)神道系の唱歌を書き、出版した人物と皇典講究所音楽教育との繋がり、皇典講究所では創立当初音楽教育が非常に重視されたことを解明した。 また、(3)阿夫利神社権大教正権田直助編述『神教歌譜』(明治14年出版)について大山阿夫利神社(神奈川県伊勢原市大山355)で調査を行い、権田直助の創案になり、皇典講究所の唱歌に影響を与えた神教歌は現在も歌い継がれ、彼の命日(6月8日)に合わせて、毎月8日に神教歌の講習会を開き、大山敬神婦人会30名ほどが参加していること、(4)月例の神教歌稽古会(約30分)を見学し、神教歌の歌唱に関わる慣行と現在までの変化、稽古会の実施方法、婦人会の中の役割分担、楽器の使用などについて解明した。
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