研究課題/領域番号 |
16602011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表象芸術
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研究機関 | 京都市立芸術大学 |
研究代表者 |
石原 友明 京都市立芸術大学, 美術学部, 助教授 (60315926)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 絵画 / 点字 / 視覚 / 触覚 / 現代美術 / 美術 |
研究概要 |
平成16年から平成18年にかけて上記のテーマに基づく研究および作品制作をおこなった。当該研究者の美術家であると同時に美術教育者でもあるという立場から、研究は作品制作を中心に行われ、平成16年には、西宮大谷記念美術館での個展において一室が作品の発表にあてられた。その成果は、カタログ、新聞各紙による批評記事など様々な社会的な反応として結実し、また、美術教育の現場において絵画の言語的な理解と伝達を深めてゆくことにも一定の役割を担ったと考えている。数回の展示の結果、「視覚と触覚の横断」が、上記研究テーマを包括するより大きなテーマとして見いだされ、点字を使用した絵画の制作と平行して「平面画像の3D彫刻機による立体化」の実験を開始することになる。その中心となるのは光の量を物質的な量に置き換える、つまり素材の高低で明暗を表現すること、また、デジタル技術によるその自動化である。この装置の使用には、彫刻を職人的技巧から、誰にも制作可能な開かれた技術にするという狙いも含まれている。これは、量産技術の美術への応用ということだけでなく、画家の経験による固有の「タッチ」をデジタルデータに変換することも意味している。 実験は、ルネッサンスから現代までの様々な作者による名画をデータ化し、3D彫刻機を通して立体に置き換え、比較検討するという手順でおこなった。その結果、それぞれの時代における光の表現の差異がより明確になり、歴史的な絵画概念の理解に役立った。また、平面絵画の触覚による理解という新たな可能性も開かれたと考えられる。この研究によって、絵画概念の理解に従来とは異なる視点が開かれ、これからの絵画教育においてもより有効な技法が獲得できたのではないかと考えている。
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