研究課題/領域番号 |
16602019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表象芸術
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
池内 靖子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (80121606)
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研究分担者 |
李 静和 成蹊大学, 法学部, 教授 (90286899)
ジェニスン レベッカ (レベッカ ジェニスン) 京都精華大学, 人文学部, 教授 (30141485)
鄭 暎惠 大妻女子大学, 人間関係学部, 教授 (10207326)
北原 恵 甲南大学, 文学部社会学科, 教授 (30340904)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | アジア系女性アーティスト / 演劇 / パフォーマンス / ポストコロニアル / ディアスポラ / ジェンダー / アイデンティティ / 表象 / 展覧会 / パフォーマンス・アー / パフォーマンス・アート / borderline / マスキュリニティ / グローバリゼーション |
研究概要 |
本研究は、平成14年度と15年度の「ジェンダー」分野の科研費補助金助成を受けて進めた研究課題を継続して取り組んだ。その時点で立てた基本的な研究目的に大幅な変更はない。つまり、演劇/パフォーマンスと現代アートといった芸術表現をジェンダーとポストコロニアル研究の批判的視角から考察するための理論的な枠組みを構築することをねらいとしている。 ここ数年、現代アジアの女性アーティストの芸術表現に焦点を当て、アジアの歴史的コンテクストと関わらせ、ポストコロニアルな状況における表象の政治といった批判的視角、および、ジェンダー理論の枠組みから、女性の主体構築と新しい表現の可能性を明らかにしてきた。アートを歴史や政治から切り離す従来の批評の枠組みを問い直すことはますます重要になっている。とりわけ、20世紀の帝国主義や植民地主義の歴史、その予期せぬ結果としての難民、移民、亡命者たちの経験をふまえ、現在新たに進行しているグローバリゼーションのもとで生み出されるディアスポラ(離散)の人々の抵抗と表現について考察を深めることは、新しい「正義」概念の構築に不可欠の研究課題となっている。さらに、アジアの舞台芸術やパフォーマンスにかかわって、西洋中心の芸術表現の普遍化、近代の制度としてのアート、その基本的な表現の枠組み、ジャンルのポリテイクス、脱歴史化などを問い直した。 この共同研究のユニークな特色の一つは、現代社会で、どんな表現活動が価値あるものとされ、流通しているか、その制度の在り方を批判的に検証することにあった。同時に、この共同研究のもう一つの社会的に重要な役割は、こうした展覧会や演劇/パフォーマンス・アートの表現活動を実際に企画すること通して、国内外の研究者とアーティストを広く集めたネットワークを作り、日本における演劇/パフォーマンス・アートとジェンダーに関する批評空間を広げ、表現創造活動と研究を有機的に結びつけることにあった。いくつかの重要な成果を上げることができたことを報告する。
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