研究課題
基盤研究(C)
初年度に於いては、まず1)ニワトリ受精卵の無殻培養(シャーレ内)系の胚発生過程における胚、卵黄血管系、尿漿膜血管系、網細血管(血管新生)等を肉眼および実体顕微鏡を通した画像として経時的に記録し、上記測定対象の変化量を市販の解析ソフトを用いた画像処理で数量化するシステムを構築した。併せて、観察面のみを除去した有殻培養系での胚発生過程における上記パラメータの数量化システムも構築し、無殻培養系システムと比較した。最終年度は、上記2つの培養系において、すでに確立した方法を用いて、血管系の肉眼方向からの投射面積の数量化を試みた。「肉眼レベル」および「実体顕微鏡レベル」において撮影した画像を市販の画像処理ソフトウエアで対象部分のみを切り出し、該当部分の面積は、面積既知部分を対照として市販の画像解析ソフトで求めた。その結果、胚上部側のみを無殻にした培養系システムが安定し胚発生が観察でき、より安定な血管系の観察を可能にすることが判明した。一方、食の安全性の評価として鋭敏な卵黄血管系におけるレニン・アンジオテンシン系(血管新生の引き金)の生化学的動態の測定法についても検討した。特に各パラメータのmRNAのRT-PCR法による定量法確立した。即ち、血管形成に関連する因子のmRMAの定量法を確立し、低濃度の血管新生阻害剤添加によってそれらmRNA濃度が低下することが確認でき、「食の安全性評価システム」としての高感度としての評価基盤が強化できた。
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