研究課題
基盤研究(C)
食品およびその成分によるダイオキシン毒性抑制作用を評価するため、ダイオキシン毒性の初発段階を担うアリール炭化水素受容体(AhR)の形質転換抑制を指標として研究を実施し、以下の研究成果を挙げた。AhRの形質転換抑制効果を示す食品を無細胞系試験でスクリーニングし、緑茶、紅茶、ココア、牛乳、などの飲料、モロヘイヤやニンジンをはじめとする多くの野菜、プロポリスが有効な食品であることを明らかにした。また、日本に自生する植物抽出物の効果を調べ、植物性食品のみならず植物全般にAhRのアンタゴニストが含まれていることも示した。これらの食品について、動物細胞を用いた二次スクリーニングを経て動物実験を実施し、緑茶、紅茶、カカオ抽出物の有効性を明らかにした。これらの食品に含まれる有効成分のうち、フラボノイドはそのサブクラス依存的な効果を示すことを明確にした。すなわち、フラボンとフラボノールは強い効果を、フラバノンとカテキンは弱い効果を示したが、イソフラボンとアントシアンは効果を示さなかった。フラボノイドの示す形質転換抑制効果の強弱は、AhRを含む複合体への親和性の強弱に依存することが示唆された。また、AhRの新規アンタゴニストとして、緑茶からルテインとクロロフィルを、紅茶からテアフラビンを単離・同定した。モロヘイヤとカカオの有効成分については、単離・同定を実施中であるが、これらには腸管細胞や肝細胞中で代謝された物質が有効性を示すことを支持する結果も得ている。AhRを介して発現誘導されるCYP1A1はヘテロサイクリックアミンであるTrp-P-1の発がん性に関わるが、動物実験で形質転換を抑制した緑茶、紅茶、カカオ抽出物はCYP1A1の発現も抑制した。また、Trp-P-1を細胞に処理することで活性酸素が生じ、これがDNA損傷に繋がることを明らかにし、抗酸化物質がこの細胞障害を抑制することを示した。
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