研究課題
基盤研究(C)
本研究では、若年層に多い概日リズム睡眠障害に対し入院治療をとり入れ高照度光療法を実施し経過及び治療に関する検討を行った。【方法】平成16年4月から平成17年12月の期間に、滋賀医科大学附属病院精神科病棟に入院した患者の内、退院時に概日リズム睡眠障害と診断された30名(睡眠相後退型18名、非24時間型5名、不規則型7名)を対象とした。治療は全例において高照度光療法、望ましい睡眠覚醒リズムを維持するための生活指導を行い、一部の症例には精神療法、薬物療法を付加した。診療録から性別、入院時年齢、発症年齢、羅病期間、平均睡眠時間、就学/就労の有無などを調査し、退院前1週間の自力起床の可否を治療効果の指標とした。さらに、睡眠相後退型については入院前の入眠時刻、起床時刻を評価項目に加えた。【結果】退院前1週間における自力起床の可否については、53%の患者が完全に自力起床が可能となった。また90%の患者にリズムの改善を認めた。次に、睡眠相後退型の患者における改善群、非改善群の比較を行った。改善群は退院前1週間に完全に自力起床できていたもの、非改善群は自力起床できない日があったものとした。その結果、改善群の入院時年齢は非改善群と比較して有意に高かった(改善群:平均23.1±8.4歳、非改善群:平均15.2±1.7歳、p<0.05)また、改善群の発症年齢は非改善群と比較して有意に高かった(改善群:平均18.8±6.6歳、非改善群:平均13.6±1.3歳、p<0.05)。【考察】リズム障害患者の多くは遅い入眠、遅い起床を繰り返すことで、自己での矯正が困難な悪循環に陥っている。入院治療により、この悪循環を脱することで望ましい睡眠覚醒リズムを取り戻すことができると考えられた。特に入院治療で毎朝の覚醒、その直後に光を浴びるという高照度光が重要であることが再確認された。さらにこれらの症例について時計関連遺伝子を検索する。
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