研究課題
基盤研究(C)
脳血管障害の発生に関与している遺伝素因解明のために、脳動脈硬化の危険因子として注目されている生体内の酸化ストレス亢進と一酸化窒素(NO)レベルの減少に着目して、島根難病研究所の脳ドックを受診した1215名を対象として、Periventricular hyperintensity(PVH)の形成に果たしている役割を解析した。その結果、単変量解析では加齢、BMI、平均血圧、HDL-コレステロール、高血圧の存在、喫煙、ラクナ梗塞の存在、および血漿中のNO代謝物(NOx)の減少と、PVH重症度との間に有意な相関を認めた。さらに、多変量解析を行った結果、加齢、高血圧の存在、ラクナ梗塞の存在および平均血圧上昇とともに、NOx減少およびIsoP増加もPVHの重症度に影響を及ぼす独立した因子であることが明らかとなった。これらの結果より、酸化ストレスの亢進とそれに密接に関連したNOの減少がPVHの形成を進展させる独立した因子である可能性が示唆された。次に、一酸化窒素合成酵素(NOS)の活性を阻害する働きがあるADMAの血中レベル測定法の開発に関する研究を行った。従来、ADMAの測定にはHPLCを用いた測定法が用いられてきたが、検体の測定前処理の手技が煩雑であることから、多検体の測定は困難であった。そこで、今回、複雑な前処理を行わずに、カラムスイッチング・ポストカラム反応HPLCを使用して、ADMAおよびその異性体であるNMMAとSDMAを同一検体を用いて同時に測定できる方法を開発した。この方法によれば、試料注入からカラムの洗浄工程も含めて、1試料あたり30分以内での測定が可能であった。また、検量線の直線性、再現性、回収率について、いずれも良好な結果が得られた。現在、この方法を応用して多検体測定の可能なシステム作りをすすめている。
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