研究課題
基盤研究(C)
アレルギー性疾患はアレルギーとなる抗原の提示、これに伴うTリンパ球の活性化、機能分化、さらにBリンパ球による抗体産生が関与する。我々はこれらアレルギー性疾患の発症メカニズムを解析する目的で、転写抑制因子Bcl6の欠損マウス(Bcl6-KO)を解析した。このマウスはCD4T細胞のTh2分化が起こりIgEを高産生し、好酸球浸潤をともなう結膜炎、皮膚炎をはじめとする各種臓器のアレルギー性炎症を自然発症する。そのため、アレルギー炎症の機序および免疫応答バランスの制御システムを解析しうるモデルマウスと考えられる。実際、我々はCD4T細胞においてIL-5がBcl6の標的遺伝子であることを明らかにしてきた。ところが生体内におけるBcl6-KOマウスのTh2細胞分化はリンパ球以外の因子が関与することが移植実験等から示唆されている。転写抑制因子Bcl6は血球系細胞に広く発現している。今までに胚中心B細胞の分化や記憶T細胞の分化にBcl6は重要であり、赤芽球分化、マクロファージ機能発現にも関与する等その機能が多岐に渡ることを明らかにしてきた。本研究ではリンパ球の機能分化に関わる樹状細胞の性質をBcl6ファミリーが制御する可能性を検証し、そのメカニズムを明らかにする目的で生体内、培養系を用いた検討を行い、以下の点について明らかにすることができた。1)Bcl6はCD4+DC,CD8+DCの分化に必須の転写因子である。2)Bcl6欠損樹状細胞の分化異常はprecursorの分化の時点で起こり、progenitor intrinsicである。3)Bcl6欠損樹状細胞は野性型樹状細胞よりもCD4T細胞のTh2細胞分化を誘導しやすい。これらの結果から、Bcl6はマウス生体内において樹状細胞の分化機能発現に直接関与し、Bcl6欠損樹状細胞はアレルギー炎症の発症に関与している原因細胞と考えられた。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (24件) 図書 (1件)
Exp. Hematol. 33
ページ: 26-34
Circ. Res. 96
ページ: 904-912
J. Immunol. 174
ページ: 7703-7710
Exp.Hematol. 33
Circ.Res. 96
J.Immunol. 174
Mol Immunol. 42
ページ: 1453-1459
BBRC 328
ページ: 499-506
ページ: 617-625
Proceedings of Dioxin 2005 and ISPAC-20:
ページ: 1688-1691
J.Immunol 173
ページ: 883-891
Eur. J. Immunol. 34
ページ: 1322-1332
Transplantation 78
ページ: 516-523
J.Immunol. 173
Eur.J.Immunol. 34
Int.Immunol. 16
ページ: 1477-1486
Int.Immunol 16
ページ: 1439-1449