研究課題/領域番号 |
16635001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 企画調査 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
榊 茂好 京都大学, 工学研究科, 教授 (20094013)
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研究分担者 |
北浦 和夫 産業総合研究所, 計算科学研究部門, 総括研究員 (30132723)
山下 晃一 東京大学, 工学系研究科, 教授 (40175659)
永瀬 茂 自然科学研究機構, 分子科学研究所, 教授 (30134901)
古賀 伸明 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (80186650)
中野 晴之 九州大学, 理学研究院, 教授 (90251363)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 電子状態理論 / 統計理論 / 化学反応理論 / 溶媒和理論 / 柔軟分子系 / 密度汎関数理論 / ポストハートリーフォック法 / 分子動力学計算 |
研究概要 |
電子状態理論、化学統計理論の現状を調査し、さらに、それらを融合し、新しい方法論を進展させるための検討を行った。(1)高精度電子状態理論の現状と展望:密度汎関数理論の限界が明らかになっており、再びpost Hartree-Fock法に注目が集まっている。統計理論と組み合わせるには、どのような高精度電子状態理論が良いのか、検討した。基礎理論としては密度汎関数理論と新しい汎関数、局在MP2法、クラスター展開法に焦点を絞って、常田、天能、中野らが検討した。また、時間を含んだ電子状態理論については信定が中心に調査を行った。応用面からは永瀬、榊、古賀らが典型元素や遷移金属元素複合化合物、超分子の大規模分子の構造、反応の理論の観点から、電子状態理論研究の現状と限界を明らかにした。(2)化学統計理論の現状と展望:古典的分子動力学(MD)計算と量子論的MD計算の理論面および応用面での現状調査、特に、限界と可能性を中心に調査した。古典的MD計算については、長岡、田中が自由energy計算と溶媒理論の観点から検討し、量子論的MD計算については山下が、また、これらを組み合わせた理論的研究については、加藤が現状と可能性を調査した。QM/MM法については、加藤、田中、長岡が特徴と限界を調査した。(3)柔らかい分子系の実験研究の調査:実験分野で、柔らかい分子系、特に、生体分子やクラスター分子を研究する実験研究者と接点を構築した。(4)化学統計理論と電子状態理論の融合:溶媒和構造を理論的に取り扱う方法であるRISM-SCF法は現時点で統計理論と電子状態理論を融合させた理論的方法の代表的なものである。この方法の長所・短所、そして限界と展開の可能性について、基礎理論と応用面から、加藤、天能、佐藤が調査を行った。これらを総合して、古典的MD計算と量子論的MD計算の高速化、古典的MD計算に電子状態理論を組み込む方法、統計的側面をもつ電子状態計算の開発が望まれることが示された。
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