研究課題/領域番号 |
16639019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 企画調査 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
柴田 敏之 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50226172)
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研究分担者 |
千葉 逸朗 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (50250460)
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (90260819)
土井田 誠 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90313890)
石崎 明 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20356439)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | ORAL CANCER / CARCINOGENESIS / SRI LANKA / BETEL CHEWING / MOLECULAR ANALYSIS |
研究概要 |
最新のがん研究の成果として、発がんの過程に於いて、様々な外的、内的障害が遺伝子(がん遺伝子、がん抑制遺伝子等)に加えられ、これら遺伝子異常の蓄積により最終的にがんが発生することや遺伝子多型などのgenetic backgroundにより発がんに個体差のあることも明瞭に示されて来ている。しかしながら、口腔領域では、前がん病変として白板症が位置づけられているものの、遺伝子異常の解析は必ずしも十分ではなく、口腔がん発生機序の解明および分子疫学的解析が、他領域に比べ著しく遅れているのが現状である。我々は、この原因として、前がん病変〜がん病変に至る各段階の検体収集に限りがあり、これが大きな障壁のひとつとなっていると考えている。一方、東南アジア地域では、betel chewing(噛みタバコの一種)の習慣が広くあり、これに起因して白板症を経て口腔がんが多発していることが知られている。しかし、これら東南アジア諸国では人的、経済的理由により、その解析・予防に多くの努力が払われているとは云えず、結果、多くの口腔がん患者が発生し続けている。そこで、この状況を打開するために既知の口腔外科医の所属する施設:フィリピン(イースト大学歯学部口腔外科)、バングラデシュ(ダッカ大学歯学部口腔外科)、スリランカ(ペラデニア大学歯学部、国立がん病院、他5施設)、台湾(国立台湾大学医学院)と連携・調査を行ったところ、台湾(国立台湾大学・高雄医科大学歯学院)の研究体制・レベル・問題意識が極めて高い状態となっていた。また、これらの施設ではBetel Chewingによる口腔がん症例が100〜200/年と豊富に集積可能であり、採取した検体の保存(一部は解析可能)の状態となっていた。さらに、高雄医科大学のグループは長年にわたり地域の口腔健診を継続しており大規模コホート研究の推進も可能な状態となっていた。症例登録用のフォーマット(案)として我々がスリランカで使用しているものを提案し、概略合意した。一方、検討項目として、我々の結果である、「スリランカ・日本の症例におけるp15,p16,MNMG等の遺伝子に高率にmethylationが生じており、その頻度が病変の進行に応じて高くなること」を元に検討項目として有望との結論となった。さらに、スリランカで推進しているクルクミンによる病変予防・前癌病変の長期観察も推進課題として加えることとなった。 尚、本年度にはスリランカの大災害があり、同国での活動にやや支障を来たしたが、幸いにも研究者・研究協力者には人的被害はなく、今後の研究活動の継続に大きな支障が無かったのは幸いであった。
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