配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
昨年の研究に引き続き,本年度も正例からの極限同定可能性に関する様々な十分条件と可換代数の関係について研究を行った.具体的な成果は以下の通りである. 1.ある言語族が正例から極限同定可能であるとき,その言語の集合和が正例から極限同定可能になるか否かを考察した.和集合の和の個数が一様に有限である場合は,Wright-篠原の定理を用いて,正例から極限同定可能であることを示すことができる.本課題で問題としたのは,個数に関して制限のない場合である.論文Inferability of Closed Set Systems From Positive Data(with de Brecht, M. Kobayashi, A. Yamamoto)ではこの問題に関して考察をおこなった. 2.言語族として,可換環Rのイデアルの族Iを考えたとき,Iが有限の弾力性を持つことと,RがNoether環であることが同値となるのは,昨年までの研究で示している.Iが有限の弾力性をもつときIの各言語は特徴例集合をもち,それは各イデアルの有限基底で与えられる.有限の弾力性は言語の和(和の個数は一様な上限をもつ)に遺伝する.そこで,Rが有理数係数のn変数多項式環であるとき,イデアルの有限和の特徴例集合をもイデアルの基底を用いて具体的に構成することを考察した.この成果は「多項式環におけるイデアルのN個以下の集合和の特徴例集合」(高松逸朗,小林正典,山本章博と共著)にまとめた. 3.可換代数と計算論的学習理論に関するこれまでの研究成果の雑誌「数学」の企画記事「人工知能における計算論的学習理論とNoether環」(小林正典,山本章博と共著)として概観した. 4.StephanとVentsovの論文にある「BC-learnableであるが,Ex-learnableでないNoether環の例に関するセミナーを行い,その証明の議論の飛躍の部分を「永田の判定法」により埋めた.この内容は現在準備中である.
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