研究概要 |
本研究の目的は、高精度・高次元医用画像時代の到来を踏まえた、全く新しい形での「次世代人体アトラス」構築に関する研究を行うことである。本研究では,「人体構造情報に関してどのような形で計算機上に蓄積するのか?」「蓄積された情報をどのように利用すれば、例えば計算機支援画像診断などに活用可能なのか?」に関して、組織的な調査研究を行った。ここでは,前年度における仕様策定結果を基に「次世代胸部アトラス」構築に取り組んだ。その成果を用いて、3次元胸部CT像自動認識実験などを行い、本研究成果の有効性などの検証を行った。以下,各研究項目の結果を示す. (1)次世代胸部アトラス拡充 昨年度までに開発されたアトラス入力システムを用いて、胸部領域に存在する臓器に関するアトラスを構築する。また、アトラス構築に用いる症例数を増加させることで、個人間のばらつきも記述された「次世代アトラス」の拡充を図った,特に呼吸器専門医の協力を得ることで気管支枝名に関するアトラスを65症例から構築した.また,同様に縦隔部における臓器領域アトラスの構築を行った. (2)アトラスと個別画像との対応付け手法の実装 平成16年度での検討結果を基に、領域情報、構造情報、解剖学的構造の個人間相違、記述情報に関するそれぞれのアトラスと個々の被験者の高次元医用画像を対応付ける手法を開発した.特に先述の気管支枝名,縦隔部臓器領域抽出手法を開発した. (3)次世代アトラスを利用した医用画像処理システムの試作 これまでの研究成果を基にして、次世代アトラスを利用した医用画像処理システムを試作し、臨床医による評価を行った.
|