研究課題/領域番号 |
16650073
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
齋藤 実 (齊藤 実) (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (50261839)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 老化 / ショウジョウバエ / 遺伝子 / 学習記憶 / 分子メカニズム / 加齢性記憶障害 |
研究概要 |
我々は寿命が約40日と短く、分子遺伝学が発展しているショウジョウバエを、新たに加齢性記憶障害(AMI)のモデル動物として開発し、AMIがamnesiac(amn)遺伝子が関与する記憶形成過程の特異的な低下によるものであること、さらにamnの平均寿命が野生型より約40%も延びていることを見出した。一方、PKAをコードしているDC0遺伝子のヘテロ変異体DC0/+では脳の老化の重要な表現型であるAMIの発現が顕著に抑制されているにも関わらず、寿命は野生型と変わらなかった。そこで本研究では個体老化と脳の老化の遺伝学的相関を明らかにすることを目的に以下の実験を行った。 (1)amn変異体でみられた寿命の延長を複数の遺伝学的バックグラウンドで検証した。当初用いたCanton-S系と異なるバックグラウンドを持つ野生型系統とアウトクロスを行い寿命を調べたところ、寿命延長が起こらないバックグラウンドがあった。このことからamnの寿命延長には遺伝子バックグラウンドが大きな影響を与えていることが明らかになった。 (2)amn変異体と同じ身体的特徴を持つ長命変異体methuselah(mth)で学習記憶とAMIを検証した。その結果mthではamn変異体と類似の記憶障害があるものの、野生型と同じ日齢でのAMIが起こることが分かった。このことからmthは個体老化に特異的な遺伝子経路に含まれることが分かった。 (3)個体老化に重要なIGF経路の変異体ではその多くが長命変異体となる。その一つchicoではInsulin receptor substrate(IRS)が欠失し、続くIP3Kの活性化が抑制されている。chicoで学習記憶とAMIを検証したところ、顕著な記憶障害を見出したがAMIは正常に起こった。現在chicoでの記憶障害がIRS欠失によるものか否か回復実験のための系統を作成している。
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