研究課題/領域番号 |
16650087
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
福島 菊郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70091486)
|
研究期間 (年度) |
2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | 視線運動 / 前頭眼野 / 滑動性眼球運動 / 頭部運動 / 頭部-眼球協調運動 / サル |
研究概要 |
視覚対象が前額面でゆっくり動く場合、滑動性追跡眼球運動が使われる。視覚対象の動きは日常生活では多くの場合に頭部運動を伴って追跡される。前頭眼野後部領域が滑動性追跡眼球運動の指令信号を持つことが、国内外の多数の研究により報告されている。しかし、これまでの研究では頭部を固定した条件でのみ調べられ、他動的に回転刺激が加えられるとこれらニューロンの大多数の応答は、視線(眼窩内眼球運動+頭部運動)速度に対応することが明らかになっているが、アクティブに頭部運動を伴う追跡運動の場合、これらニューロンが実際に視線指令信号を持つかどうかについては答えることが出来ない。本研究は、レーザースポット視標と報酬であるジュースのフィーダーを同期あるいは乖離させて動かすことにより、視線追跡、眼球追跡、および頭部追跡を同期或いは乖離させて行わせ、サル前頭眼野追跡ニューロンの応答特性を調べた。視標とフィーダーの両者に対する視線追跡に応答した99個の前頭眼野追跡ニューロンの大多数(62%)は、フィーダーを静止させ、視標のみに対する眼球追跡にも、また、視標を静止させ、フィーダーのみに対する頭部追跡にも同様に応答した。これらの大多数は視標を提示しなくともフィーダーに対する頭部追跡に応答したが、その多くは他動的頭部回転に応答しなかったため、頭部追跡に対する応答は前庭入力によるものではなく、頭部運動指令を反映するものと解釈される。第二の群(25%)は視線追跡の応答と同様に眼球追跡に応答したが、視線が動かない頭部追跡に対する応答は弱く、この応答は他動的頭部回転に対する視線速度ニューロンの応答と類似した。少数のニューロンが頭部追跡のみ(8%)、或いは視線追跡のみ(5%)に応答した。以上の結果は、アクティブな視線追跡に応答した前頭眼野追跡ニューロンの大多数は眼球と頭部の追跡運動指令をもつことが示唆される。
|