研究概要 |
まず,「注意」障害に関連した行動を12項目選定し,脳損傷患者(リハビリテーション施行中の脳外傷,脳卒中患者など183名)を評価した。観察された問題行動の出現頻度によって各項目とも0〜3点で重み付けされ,合計点(0〜36点)を算出した。36点が最重症となる。評価は作業療法士(OT)が通常のリハビリテーション施行中に行った。合わせて,年齢,診断名,神経学的所見,ADLなどを記録した。さらに,「注意」障害に関連する他の机上検査(paced auditory serial addition task, trail making test, WAIS-Rの下位検査:符号問題など)も実施した。検者間信頼性として同時期に実施した理学療法士(PT)の判定結果をOTのそれと比較した。 因子分析の結果,本尺度に3つの因子が内在していた。それぞれ注意のモデルとして重要な「arousal, alertness」「sustained attention」「selective attention」に関連する内的因子と考えられた。次にこの各因子に特異的な評価尺度とは言えない項目を削除し,最終的に6項目に絞り込んだBAADが完成した。この最終版BAADのCronbachα係数は0.81であった。比較的良好な検者間,検者内信頼性も認められた。さらに他の注意検査との相関も得られ,本尺度の妥当性が示唆された。本評価法は失語症などのコミュニケーション障害や動作性課題が施行困難な運動障害を有する症例でも適用できる。以上より,BAADは注意障害の行動尺度として有用であると思われた。
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