研究課題/領域番号 |
16650222
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
篠原 駿一郎 長崎大学, 教育学部, 教授 (50170882)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 遺伝子解明 / 遺伝子操作 / 予知医学 / 医学と文化 / シビリアン・コントロール / 遺伝医学 / 予知と予防 |
研究概要 |
研究者は、昨年度に引き続き、様々な学会・研究会に出席し他の諸機関の研究者との交流を通じて遺伝学の動向やそれに関する倫理的研究状況の把握に努めた。主な出席学会・研究会は、日本生命倫理学会、九州大学医の哲学・倫理研究会、岡山生命倫理研究会、西日本生命倫理研究会、長崎遺伝倫理研究会、福岡応用倫理研究会、等である。 とりわけ、日本生命倫理学会岡山大会では、シンポジウム「エンハンスメントと人間社会」のシンポジストとして「倫理はエンハンスメントをどう捉えるべきか」というテーマで発表・討論した。本研究課題である「予知医学」にしても、病気を超えた医療の介入である「エンハンスメント」にしても、結局は、医学・医療のあり方、医学・医療の文化的な位置づけが問題なのである。すなわち、急速に発展しつつある遺伝子解明の知見とその応用技術は、当然ながら我我の福祉に寄与する面は多々あるものの、その科学技術の用い方によっては我我の文化の破壊や人格の破壊さえももたらしかねない側面を有しているのである。 つまり、予知医学やエンハンスメントを含む生命科学技術は、本来の医学・医療の役割を超えて、自律的な研究・開発を際限なく拡大しているのであり、我我は、それが社会にもたらす影響を注意深く監視する必要があるのである。現代市民社会にあっては、私はそれを「シビリアン・コントロール」と呼びたいと思っている。倫理学とは、そもそも、シビリアン・コントロールをどうするかということを考える学問なのである。 そのような趣旨のもと、現在は、日本生命倫理学会から依頼された原稿の執筆と、京都の出版社から今年度中に出版予定の「文化としての生命倫理」の準備中である。その中で「予知医学」という概念をしっかり把握し、その社会的文化的影響を分析したいと思っている。当研究費で購入させていただいた多くの書籍が大変役立っている。
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