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出土水浸木製品に対する超臨界CO2を用いた新しい文化財保存法

研究課題

研究課題/領域番号 16650224
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 文化財科学
研究機関東北大学

研究代表者

猪股 宏  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10168479)

研究分担者 渡邉 賢  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40312607)
手代木 美穂  東北芸術工科大学, 保存修復センター, 講師 (80323070)
研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード二酸化炭素 / マンニトール / 文化財 / 水浸木製品 / 水浸木
研究概要

出土木材は,水浸中に組織中のセルコールが加水分解されるため,非常に脆い構造になっており,保存のためには補強と乾燥の両者が必須である。現法(主流)は,出土試料をPEG水溶液に浸漬させ,順次高濃度化させることで,木組織内の水をPEG水溶液と置換させ(含浸過程)、その後に自然乾燥あるいは真空凍結乾燥を行って水分を除去するものである.本研究は,この乾燥に対して超臨界流体を適用すれば界面応力を抑制でき結果的に収縮なしの乾燥が可能であること,ならびに高拡散性の超臨界流体を利用することによる含浸過程での時間短縮を期待したものである。
昨年度は,通常のPEG/糖アルコール含浸法で処理した木製品の脱溶媒へ超臨界CO2を適用した場合について実験を行い,寸法変化は測定5ヶ所においていずれも収縮が0.5%以下の良好な結果を得た。しかし,電子顕微鏡で観察したところ、マンニトールは木組織まで完全には入っていない。その原因としては,含浸時間が十分ではない状態でエタノールと親和性の高いCO2の導入により表面付近でマンニトールが析出したためと考えられた。
本年度は,エタノールにもある程度の親和性のあるPEGを主対象として,気液飽和状態(低圧)のCO2含浸+乾燥実験を実施した。まずPEG水溶液を作成し,それに木材を含浸させ,次にエタノール溶液浸漬させ,溶媒置換を行う。ついで超臨界抽出により完全な乾燥を行う手順を採用した。
PEG4000を用いた実験では,試料濃度,含浸時間,含浸温度,圧力を変化させたところ,いずれも木組織表面部分へのPEG4000分子の進入は確認されたが,内部までは拡散していない状態であった。そこで,この原因が,PEG4000分子の拡散性とエタノールへの低い溶解度にあると推察し,より低分子量のPEG400およびPEG500を共溶媒としての効果を期待して併用したところ,条件によっては木組織の内部まで完全ではないが,一部PEG分子が確認され,PEG混合の有効性が示唆された。

報告書

(2件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Vapor-liquid equilibria for CO2-fermentation alcohol mixtures - Application of a new group contribution equation of state to isomeric compounds2005

    • 著者名/発表者名
      Inomata Hiroshi
    • 雑誌名

      Fluid Phase Equilibria 228

      ページ: 335-343

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] Performance of a natural convection circulation system for supercritical fluids2005

    • 著者名/発表者名
      Syoichiro Yoshikawa
    • 雑誌名

      Journal of Supercritical Fluids 36

      ページ: 70-80

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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