研究課題/領域番号 |
16651004
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
唐 常源 千葉大学, 園芸学部, 教授 (80251198)
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研究分担者 |
佐倉 保夫 千葉大学, 理学部, 教授 (70153947)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 流域の水循環 / 手賀沼 / 水質変遷 / 地下水流動系 / 地下水と地表水の交流関係 / 都市化 / 自然浄化 / 地下水と地表水の交流 / 水素、酸素同位体 |
研究概要 |
手賀沼周辺における地下水と沼の水の交流関係、および都市化以前の流域水循環特性を明らかにするために、手賀沼周辺の典型的な林地、住宅地および畑地における土壌水分、地下水位、地下水質および沼の水質を測定・分析した。その結果は次のようにまとめた。 1)台地上の井戸の地下水位のピークは冬季であり、沼岸のピエゾメーターの地下水位のピークは春季であった。沼へ注ぐ河川以外に、台地に浸透した降雨は低地を通して、地下水として手賀沼に流出し、沼の水位維持を大きく貢献している。その量が無視できないと考えている。 2)都市の中に残された緑地の地下水は周辺の人間活動により地下水汚染を受ける可能性が非常に高い。 3)研究地域で手賀沼に流れ込んでいる地下水は人間活動の影響を受けてNO_3^-濃度が沼水よりも高かった。それは地下水が手賀沼の水質を悪化させる外部負荷となっている可能性を示唆した。 4)研究地域での地下水は手賀沼に流入する際に手賀沼底の堆積物を通過する。しかし、溶出実験から栄養塩類であるNO_3^-とPO_3^<3->の溶出が認められなかったことから地下水は手賀沼の内部負荷を引き起こす要因にはなっていないと考えられる。 5)手賀沼周辺で現存している緑地を選び、トレーサー実験を実施した。トレーサーの移動状況と樹冠雨量の関係をみると、2006年7月〜10月までの林外雨量は544mmに対して、針葉樹と竹林での林内雨量はそれぞれ325mmおよび171mmであり、針葉樹の林床に達した雨量は竹林に比べて約1.8倍多かった。また、観測期間中にトレーサーの移動深度は両者ともに60〜70cmであり、針葉樹の蒸散量が竹林より多いことが示唆された。
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