研究課題/領域番号 |
16651006
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西田 民人 名古屋大学, 環境学研究科, 助手 (60313988)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 海洋有機物プール / 多糖類 / 分子間相互作用 / 化学型 / 溶存態有機物 / 溶存脂質 / 核磁気共鳴スペクトル法 / 溶存有機物 / 有機地球化学 / 生物地球化学 / 海洋化学 / 物質循環 |
研究概要 |
本研究では、多核種多次元核磁気共鳴法を用いて、分子レベル(官能基組成)で海洋に存在する溶存態有機物の生成速度を実験的に測定し、熱力学的解析(分子運動及ぴ分子間相互作用)で海水中での動的挙動を推定することで、海洋における溶存態有機物の生成メカニズムを明らかにする。 海洋有機物の動態について、溶存有機物の分布及び^<14>C測定に関して新たな知見が得られた。いずれも世界で初めて研究成果であり、この知見を中心に平成18年度の結果を要約する。 海洋溶存有機物の化学的に同定可能な化合物群の代表として多糖類を選び、その伊勢湾・黒潮域における分布を明らかにした。また炭水化物を官能基としてもつ沿津海水中の全脂質について、プロトン核磁気共鳴法及びガスクロマトグラフィー質量分析計等により化学組成を決定し、同一試料の^<14>C年代を決定した。水深5mで得られた全脂質及び溶存有機炭素の^<14>C濃度(^<14>C年代)は、伊勢湾湾奥ではそれぞれ72.32±2.01pMC(2600 yr BP)及び93.48±2.03pMC(540 yr BP)、相模湾湾口ではそれぞれ41.31±1.64pMC(7100 yr BP)及び95.25±2.09pMC(390 yr BP)であった。いずれの試料についても全脂質の^<14>C濃度は全有機炭素のそれに比べて低い。この結果は、同一海水中の溶存有機物であっても成分により動態の時間スケールが異なっていることを示唆している。
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