研究課題/領域番号 |
16651055
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
京谷 隆 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90153238)
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研究分担者 |
折笠 広典 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (90375163)
西原 洋知 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (80400430)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / アルミニウム陽極酸化皮膜 / ヘテロ原子 / ドーピング |
研究概要 |
アルミニウム陽極酸化皮膜の直線状ナノ細孔に炭化水素ガスのCVDによりカーボンを均一に堆積させた後に、陽極酸化皮膜を酸処理にて溶解除去すれば、サイズの揃った開口構造の多層CNTを合成できる。さらに,異なる原料を逐次的にCVDすることにより、外側と内側で組成の異なる二重構造など特異な構造のナノチューブの合成が可能である。前年度までは、外側あるいは内側がそれぞれ純炭素層あるいはNドープ炭素層の二重構造のナノチューブの合成を行った。XPSで合成したナノチューブのN元素の分布状態を調べたところ,純炭素層あるいはNドープ炭素層の二重構造になっていることが明らかとなった。さらに,N元素をドープすることでナノチューブの電気伝導度が向上することがわかった。 本年度はRaman分光法により同心円状の二重構造ナノチューブの詳細な構造解析を行った。その結果、NあるはB元素を炭素層にドープすることで、炭素の典型的なRaman散乱であるGおよびDバンドがドーピング量によりシフトしていくことが明らかとなった。さらに、Gバンドのシフトとナノチューブの電気伝導度との間に明らかな相関があることを見出した。ドーピングにより炭素の電子構造が変化し、そのため電気伝導度が飛躍的に向上するとともに炭素骨格全体の振動モードであるGバンドが幾分シフトしたと考えられる。しかし、Nドープ炭素層にBドープ炭素層が二重になったナノチューブでは上記のGバンドのシフトと電気伝導度との間の相関直線に乗らず、このような特異な二重構造がシナジー的な効果をもつことが示唆された。
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