研究課題/領域番号 |
16651064
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山本 浩之 信州大学, 繊維学部, 教授 (60021151)
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研究分担者 |
大川 浩作 信州大学, 繊維学部, 助教授 (60291390)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | リン酸化タンパク質 / バイオミネラリゼーション / 炭酸カルシウム / リン酸化アミノ酸 / ポリペプチド合成 / 規則構造 / 結晶成長 / ナノ材料 |
研究概要 |
バイオミネラリゼーション(生石灰化)は、水産学、生物学、生化学、および分子生物学からの大変永い研究史があり、国内外の広範な分野の研究者が今なお積極的に取り組んでいる生命科学の根元的研究課題である。リン酸化アミノ酸を含むタンパク質は、カルシウムイオン(Ca2+)に代表される二価金属イオンと複合化し、歯牙、骨、貝殻などの石灰化組織(バイオミネラル)を形成する。リン酸化タンパク質は、翻訳後のリン酸化によって生合成されるので、遺伝子工学的手法では作ることができない。我々は、明確な化学構造を持つリン酸化ポリペプチドの化学合成に初めて成功した。さらに、合成リン酸化ポリペプチドとCa2+との結晶成長条件を制御することで、天然の巻き貝に見られるような螺旋対称結晶を作成した。以上の知見をもとに、本申請課題では、生体が持つ幾何学構造の発現機構を解明しつつ、新規ナノ材料への応用を含めた萌芽研究を展開した。 1.合成ポリペプチドと金属イオンとの会合反応の特徴 上記の実験で得られたポリマーと種々の無機金属塩から複合結晶を作成し、それらの微細構造、金属含量、晶系などの特徴を系統的にまとめた。これらの知見から、合成ポリペプチドを基質成分として無機複合結晶が生成するときの化学量論、金属の種類、吸着平衡を含む動力学的機構を把握できた。 2.合成ポリペプチド共存系における炭酸カルシウムナノ結晶の作成 上述の種々の合成リン酸化ポリペプチドの存在下、炭酸カルシウムの結晶成長を行った。その結果、種々の条件で、直径数十から数百ナノメートルの繊維状結晶が得られることを発見した。合成リン酸化ポリペプチドと無機塩からのナノ構造の作成に成功した。 3.炭酸カルシウム結晶成長機構 X線回折および種々の分光法を用いて、特徴的な炭酸カルシウム結晶形態の一つである繊維状カルサイトの面成長方向および結晶成長機構に関する知見が得られた。これをもとに、より複雑な炭酸カルシウム形態であるらせん状、塊状、および球状形態の成長機構解析が可能になると期待される。
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