研究課題/領域番号 |
16651067
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
増原 宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029551)
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研究分担者 |
開 裕司 (開 祐司) 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (40144498)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | フェムト秒レーザー / レーザー誘起衝撃波 / 動物細胞 / 単一細胞操作 / マイクロマニピュレーション / 細胞外マトリックス / キャビテーションバブル / 金ナノ粒子 / 微粒子導入 |
研究概要 |
高強度フェムト秒レーザーを細胞培養液に集光したときに生じる衝撃波の実験で得られた知見をもとに、細胞へのマイクロ粒子・糖鎖・緑色蛍光蛋白質のDNAプラスミドの導入をおこない、細胞外物質の細胞への導入を可視化することに成功した。さらに、衝撃波を利用した新しい細胞および微粒子の操作方法を確立した。 1)マイクロ粒子の細胞内への導入 細胞膜とマイクロ微粒子を個別の蛍光色素で染色し、フェムト秒レーザー照射前後の様子を共焦点顕微鏡により、蛍光微粒子の導入を直接的に観察することに成功した。導入の成功確立は10%以下とまだまだ低いが、衝撃波により特定の細胞に選択的にマイクロ微粒子が注入できることが示された。 2)糖鎖およびDNAプラスミドの細胞内への導入 細胞膜にフェムト秒レーザーを直接照射し、そこで衝撃波およびキャビテーションバブルを発生させることにより、細胞外の糖鎖およびDNAプラスミドを細胞内に導入することに成功した。細胞膜および細胞核膜は予想以上に堅牢であり、これらの膜に直接的に衝撃波が発生する強度のレーザーを照射することで初めて取り込みが起こることを明らかにした。またDNAプラスミドの導入においては、細胞膜にレーザー照射後、細胞核膜にレーザーを照射したときのみその発現がおこることが示された。このような実験は3次元的な局所領域に衝撃波が発生されることができるフェムト秒レーザーにより初めて明示されたものであり、今後細胞内での遺伝子の発現過程がより明らかになることが期待できる。 3)フェムト秒レーザー誘起衝撃波を利用した細胞およびマイクロ微粒子の操作 フェムト秒レーザーの集光点をガルバノミラーで走査し、マイクロ微粒子の周囲に衝撃波を発生させることにより、その斥力でマイクロ微粒子を捕捉することに成功した。この方法によりμNオーダーの力を微粒子に印加することができ、レーザートラッピングでは捕捉できない大きな微粒子は細胞を補捉するための技術確立に至った。
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