研究課題/領域番号 |
16651072
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 大阪大学 (2005) 分子科学研究所 (2004) |
研究代表者 |
夛田 博一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40216974)
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研究分担者 |
山田 亮 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20343741)
高田 正基 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (30403132)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 走査トンネル顕微鏡 / 走査トンネル分光 / フタロシアニン / エピタキシャル成長 / スピン偏極 / 有機超薄膜 / 局所状態密度 / トンネル電流 / 表面磁性 |
研究概要 |
表面の電子状態を原子分解能で観察できるSTMの探針として磁性材料を使用し、高いスピン偏極率を持つトンネル電子で表面スピン状態を観察する高スピン偏極STM(Spin Polarized STM : SPSTM)を開発し、これを用いて表面上に吸着させた有機分子の持つスピンを原子レベルで計測することを目的とし、 (1)金属表面上の分子の配列・配向の高分解能観察 (2)金属表面上の分子の局所状態密度の観察 (3)スピン偏極探針の作製と磁性材料観察への応用 の研究を行った。 (1)に関しては、金(111)表面をマイカ表面上に作製し、その上でフタロシアニン分子がエピタキシャル成長することを見出した。金表面の再構成が、エピタキシャル構造を確定していることがわかり、表面から3層目までの分子の配列・配向に関し、下地の原子配列の関係を明らかにするとともに、膜厚による走査トンネル顕微鏡像のコントラストの違いから、分子間および分子と基板の相互作用の影響を議論した。(2)に関しては、銅表面に吸着したフタロシアニン分子の極低温下における微分コンダクタンススペクトルおよび微分コンダクタンス像を観察し、分子軌道を可視化することに成功した。量子化学計算との比較により、銅の表面では、分子の軌道と銅の軌道が混成することによって、最高占有軌道と最低非占有軌道の間に、新たな準位が形成することがわかった。(3)に関しては、探針のクリーニング装置と磁性材料の蒸着装置を開発し、安定な作製方法を確立した。
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