研究課題/領域番号 |
16651083
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会システム工学・安全システム
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
越 光男 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20133085)
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研究分担者 |
戸野倉 賢一 東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (00260034)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 高エネルギー物質 / 衝撃感度 / レーザショック / ナノショック / 時間分解ラマン / 硫黄 / ダイアモンドアンビルセル / 吸収端 |
研究概要 |
高エネルギー物質の衝撃感度を測定し、その感度を制御するための実験装置として、レーザ衝撃波発生装置を製作した。この装置によりナノ秒の1GPa程度の超高圧パルスを発生させることができる。レーザ衝撃波の圧力は、レーザにより誘起されるアルミニウムフライアーの移動速度をドップラー干渉計により測定し、ウゴニオ関係式より計算により求めた。この装置により実際に分子結晶が圧縮されることを確かめるために硫黄結晶を衝撃圧縮し、時間分解ラマンスペクトルを測定して結晶構造の時間変化を観測した。α相の硫黄は衝撃圧縮により50ナノ秒以内に高速融解すること、またビブロンの温度はバルク結晶の温度より高速に励起されることを明らかにした。 高エネルギー物質の衝撃感度を決める要因を明らかにするために、RDXやHMXなどの高性能爆薬をダイアモンドアンビルセル(DAC)を用いて1-50GPaに圧縮してFT-IRスペクトル及びUV-Visの吸収スペクトルを観測した。FT-IRスペクトル線の圧力シフトから、RDXは5GPa付近で相変化を起こすことを明らかにした。量子化学計算を行い、この新しい高圧相の構造を推定した。紫外スペクトルの吸収端波長の圧力依存を測定したが、この吸収端シフトはHMXやペンスリットなどの高感度爆薬ではほとんど見られず、NTOなどの低感度爆薬で大きいことを見出した。このことは、高エネルギー物質の衝撃感度はHOMOとLUMOのエネルギー幅の大きさに依存しているわけではないことを示している。
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