研究課題/領域番号 |
16651087
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会システム工学・安全システム
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 正美 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (50109021)
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研究分担者 |
小林 広英 京都大学, 地球環境学堂, 助手 (70346097)
落亀 利章 (財)建築研究協会, 日本建築第三部研究室, 室長
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 木造文化財 / 防災 / 耐震化 / 仕口ダンパー / 耐震リブフレーム / 文化財 / 災害 / リスク・マネジメント / 防火設備 / 木造 |
研究概要 |
本研究の主な成果は次の通りである。 1、防災対策事業が進められている重要文化財建造物22事例を分析した結果、重文クラスの防災設計は、潤沢な資金を背景に、防火対策を中心とする高価な設備機器に依存しており、市井の木造建築群に対し、同設計手法が適用困難であることが明らかになった。 2、大地震における木造建築の倒壊と火災被害程度を分析した結果、倒壊により、火災の発生・延焼などの二次災害が発生し、被害が深刻化したことが判明した。このことから、木造都市の総合的な防災計画において、木造耐震化が重要であることが明らかとなった。 3、2の知見に基づき、既存木造建築の耐震化の促進を目指し、簡易で、木造軸組本来の構造特性を活かせる耐震補強装置、仕口ダンパーと耐震リブフレームの研究開発に着手した。 4、住宅の耐震化方法に関するニーズを把握するためにアンケート調査を行った。その結果、高額な耐震工事によって震度7クラスの地震でも住宅が損傷しない耐震性能を実現するよりも、安価で最低限倒壊しない性能を嗜好していることが明らかになった。また、現在、行政機関が進めている減税措置等の耐震化政策では、高齢者に対して住宅耐震化を促進する効果が見込めず、耐震改修費用の融資・補助制度の拡充が望まれていることがわかった。 5、阪神大震災で全壊した木造建築を対象に、本研究の評価手法と設計手法に基づいて、耐震化復元計画を提案した。 6、木造建築保全政策に関し先進的なサンフランシスコ市において、都市型木造住宅の開口部補強による耐震化方法や、基礎部にオイルダンパーを応用した方法などの実例を調査し、3で開発中の仕口ダンパーや耐震リブフレームが木造都市再生計画に有効であることを確認した。
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