• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

民族音楽調査団の結成とその調査活動を辿る-民族音楽学者黒澤隆朝との関わりを焦点に

研究課題

研究課題/領域番号 16652011
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 美学・美術史
研究機関四国学院大学

研究代表者

劉 麟玉  四国学院大学, 文学部, 助教授 (40299350)

研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード民族音楽調査団 / 黒澤隆朝 / 桝源次郎 / 台湾高砂族の音楽 / 南方政策 / 植民地台湾 / 民族音楽
研究概要

今年度は資料調査と聞き取り調査を中心に研究を進めた。以下に今年度の研究成果を示す。
資料調査からは、本研究の目的の一つである民族音楽調査団が結成された経緯が明らかとなった。民族音楽調査団が結成されたきっかけは、戦時中に日本が執った南方政策、とりわけ、その中で台湾が担った役割が大きく関わっている。史料によれば、台湾は地理的に便利な位置にあったため、南進政策の基地として活用することを日本側が考えたということである。従って、日本は文化を含む台湾内部の資源の調査や経験の活用など、台湾の総合的な考察が必要となり、またそのために、台湾総督府の協力も必要とされた。このような情勢に呼応する形で、昭和17年には台湾総督府が南方調査のため府内に臨時職員を雇用し、台北帝国大学内でも南方文化研究所の設置準備が着々と進められた。このような背景の中、日本人による様々な台湾調査が行われ、有名なものとしては柳宗悦の民俗学的調査が知られている。また、台湾民族音楽調査団による調査もその一環であったと考えられる。しかしながら本研究の調査によれば、この音楽調査はこれまで考えられていた黒澤隆朝主導のものというよりは、むしろ当時のビクター内部に設立された南方音楽研究所と情報員の経験を持つ桝源次郎が重要な役割を担っており、この点に関する更なる調査がこの分野に新たな展開をもたらすものとして考えている。
また、現時点で資料だけでは究明できないことも多いため、今年度は聞き取り調査に踏み出した。聞き取り調査は、本研究の海外協力者である国立台湾大学音楽研究所の王桜芬氏とともに、本年度3回実施した。台湾民族音楽調査団が訪れた台湾原住民の村の9割を訪問し、当時、音楽調査団が行った録音活動に参加した人々のうち、9名が今も健在であることが判明した。彼らはすでに高齢であり、その証言は村や記憶によって多少異なるものの、彼らの証言を通して、当時の録音の経緯や状況が黒澤隆朝の資料や著書よりも鮮明に描写された。この聞き取り調査は台湾原住民音楽の研究においては貴重なものになり、将来的に整理して論文にしたいと考えている。さらに、本年度の研究成果の一部をいくつかの学術誌に発表する予定である。

報告書

(2件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 桝源次郎と黒澤隆朝による台湾民族音楽調査(1943) -南方政策との関わりをめぐって2006

    • 著者名/発表者名
      劉 麟玉
    • 雑誌名

      徳丸吉彦先生古稀記念論文集 (編集中)

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] 臺灣音樂百科辭書2006

    • 著者名/発表者名
      (共著)劉 麟玉
    • 出版者
      中華文化復興運動總會(台湾)(編集中)
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] 植民地下の台湾における学校唱歌教育の成立と展開2005

    • 著者名/発表者名
      劉 麟玉
    • 総ページ数
      261
    • 出版者
      雄山閣
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書

URL: 

公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi