研究概要 |
授業において、学生がスピーチを行う前に、メタ認知ストラテジー指導を重点的に行った。指導したメタ認知ストラテジーは、"planning","self-monitoring","self-management","self-evaluation","directed attention"である。学生がどのようにストラテジーを使用したかを分析するのに、学生が課題で書くジャーナルを使用した。ジャーナルに記述された文章からストラテジーと思われるものにコードをつけ、分析した。その結果、指導した"planning","self-evaluation"などの、メタ認知ストラテジー使用が著しく増加したことがわかった。メタ認知ストラテジーの使用の回数は、指導前と後では約1.5倍となった。 また、学習ストラテジー指導前と指導後に同じタイトル、"What I would like to do in the future"、でスピーチをさせ、スピーチ自体がどのように変化したかを調査した。スピーチは、前もって準備されたinformative speechなので、どのようにスピーチに情報を盛り込み、また、スピーチを聴衆がどの程度理解したかを基準として評価した。また、文章の構成、語彙や用語の使い方、スピーチをしている時のジェスチャーや姿勢、声の抑揚や強弱などの物理的な効果もスピーチの評価基準として用いた。スピーチの評価点数は、指導前平均32点(50点満点)だったが、指導後は41点に増加した。 以上の結果から、スピーキング授業において、スピーチを行うごとに"planning","self-monitoring","self-management","self-evaluation"などのメタ認知ストラテジーを重点的に指導することは、スピーキングの上達に貢献することがわかった。
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