研究課題/領域番号 |
16653024
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
前田 文彬 立教大学, ビジネスデザイン研究科, 教授 (70350311)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 量子ファイナンス / 経路積分 / 場の量子論 / マリアバン解析 / GARCH / Wavelet / 量子ファイナンス光学 / ブラック・ショールズ・モデル / ARCH / 確立微分方程式 / 量子力学 / 相対性理論 / 光速 / ブラウン運動 |
研究概要 |
1.ファイナンス理論の中核であるブラック・ショールズの公式に代替し得る新しいファイナンス・モデルの構築を行う。古典力学を応用したブラック・ショールズの公式から導かれる金融派生商品の価格は、市場実勢値から乖離することが多く、実務上大きな問題になっている。このため、新たに量子力学の概念を応用した理論モデルを構築し、理論値と市場実勢値の乖離(アノマリ現象)という錯綜した事態の打開を図ることにした。 2.3年度は、初年度及び2年度に続き、古典力学をベースとしたブラック・ショールズ・モデルの限界を明らかにすることにし、数学(確率論)及び物理学(量子力学)を利用して研究を行った。その結果、金融資産を物理量として把握した場合、確率空間における振る舞いを明確にしなければ論理的な整合性を確保できないことが判明した。さらに分析を進め、金融資産を量子化して考える場合、金融資産の存在する空間は複素ヒルベルト空間に拡張しなければならないが、この場合量子力学特有の不確定性原理をどう取り扱うかという難問を解決しなければならないことも明らかになった。 3.金融時系列を分析するための手法として、統計学的なアプローチ(ARCHモデル-不均一分散を持つ時系列回帰分析)を応用し、フランスの株価インデックス、イギリスの株式オプション、米国の短・長期金利の実証分析を行った。統計学的アプローチでは、正常時における分散が不均一な金融時系列の分析には十分だが、非常時における分析には必ずしも十分な成果を収めることはできない。そこで、非常時における金融時系列の分析のために量子数を複数化したモデルを開発し、実証分析を行った結果、分析後の金融時系列の残差がうまく定常時系列へ収斂することを確認することができた。 4.米国の債券市場の分析にあたっては、ブラック・ショールズ型の運動方程式を量子化するのではなく、始点と終点に渡る経路の全てを分析する場の量子論(経路積分)を応用したモデルをシンガポール国立大学のBaaquie教授と共同で開発した。株価と債券の挙動の違いに着目したものだが、他の金融資産モデルよりもより市場実勢に近い分析を行うことができた。 5.今後の課題として、量子化の手法としては量子力学と場の量子論に加え、金融商品の漸近挙動を明らかにするマリアバン解析の応用がある。これは、正常時における金融商品のより確度の高い挙動を明らかにするものだが、量子論の応用とともに欧米日の金融資本市場で実証分析を行い、金融実務界への貢献をすることにした。より詳細な実証分析については、文部科学省科学研究費基盤研究として申請済みである。
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