研究課題/領域番号 |
16653057
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大神 英裕 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (20020141)
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研究分担者 |
南 博文 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (20192362)
橋彌 和秀 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (20324593)
中村 知靖 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (30251614)
大野 博之 福岡女学院, 人間関係学部, 教授 (00037037)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 乳幼児 / 共同注意 / 発達障害 / 早期発見 / 早期対応 / 縦断研究 / 妥当性検証 |
研究概要 |
福祉・文部科学行政の最近の動向が示唆するように、わが国の子供の発達を巡る諸問題のうち、広汎性発達障害などの早期発見・早期対応は、今や国家的課題となっている。こうした問題に効果的に対処するためには、わが国が世界に誇る乳幼児健診システムを出発点にし、各市町村に在住する全出生児が就学までの発達奇跡を縦断的に把握する必要がある。この視点から、平成18年度より文部科学省は全国に割ったってコホート調査を実施することになっている。 しかし、われわれの研究はすでに平成11年より福岡県前原市・志摩町・二丈町の出生児1000人/年を対象に共同注意を軸とした社会的認知の発達過程を追跡し続けてきた。本研究の研究機関は平成16・17年度の2年間であったが、さらに新たな知見を得ることが出来た。その主なものは次のとおりである。 (1)1歳半、3歳、及び5歳児において、それぞれの年齢に対応したスクリーニングテストの改定と実施。通過率と標準化データを基に、-1SD以下の発達障害児ハイリスクを抽出し、研究プロジェクトによる発達診断システムを構築した。 (2)3歳から5歳までの間に、約10名の広汎性発達障害児を発見したが、18ヶ月当時の共同注意などの発達状況を後方視すると、この広汎性発達障害児には共通した特徴(初期兆候)が認められ、その詳細を公表した。 (3)第一次スクリーニング(1歳半健診)以後、発達の遅れや障害をもつ乳幼児に対して二段階方式の療育体制(生活モデル型と個別専門療育型)を構築し、実践を展開している。 (4)こうした早期発見と早期対応に関しては、発達心理学、心理統計学、臨床心理学、比較行動学からなるわれわれの科研メンバーだけでなく、調査協力地区の保健師、保育士、特殊学級教師、養護学校教師、児童相談所心理士、NPO職員など多種職を含めた地域支援システムを構築し、発達支援の具体的方法論を提案した。
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