研究課題/領域番号 |
16653084
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教科教育学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
甲斐 雄一郎 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (70169374)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 国語科 / 教科書検定 / 国定教科書 / 小学校ノ学科及其程度 / 小学校教則大綱 / 小学校令施行規則 / 口語文体 / 国定国語教科書 / 沖縄県用尋常小学読本 / 和漢文 / 国語及漢文 / 台湾教科用書国民読本 |
研究概要 |
目的 本調査研究は国語科成立時(明治33年)において国家が国語科に託したねらいを明らかにするための某礎作業として、第一期国定国語教科書に先行する教科書群について、選択された話題題材、出典、また文体などの観点からそれぞれの特色を明らかにし、相互の異同を鮮明にすることを目的とした。 方法 そのために小学校ノ学科及其程度(明治19年)以降、国定教科書に先行する検定教科書、文部省が編集・刊行した教科書(A類:小学校ノ学科及其程度のもとで刊行された教科書、B類:小学校教則大綱(明治23年)前期刊行、C類:同後期刊行、D類:国語科成立時刊行、E類:国語科の成立にあわせて改訂されたB類)、計47種、さらに中学校用教科書、また台湾における日本語教育のための教科書等における編集方針の広がりを国定教科書編集に際しての選択肢としてとらえることにした。調査項目としては文体、出典、題材(地理、歴史、理科等との関連のとり方)、そして検定方針の変化等を設定して所期の課題にこたえようとした。 結論 読書(国語)科用教科書における題材の選択方針についてはB類以降、尋常小学校では地理、歴史、理科等の内容を網羅し、高等小学校においては補完する方針でほぼ一定している。一方この間、口語文体の比率は増加し、近世以前の出典が占める比率は減少している。これは同時代に通用する普通文、また口語文が読書科(国語科)の教科内容としての比重を増したことを意味するものである。しかしそれぞれの変化が顕著な時期は、口語文体がD類、近世以前の出典がC類というずれが認められる。それらの要因は読書(国語)科内の問題の検討では解釈が困難であり、他教科の教科内容の確定、中学校国語及漢文科の教科課程改革、沖縄県、台湾等における国語(日本語)教育の課題等、教科外要因、また社会・文化状況要因との関連を視野におさめた解釈が必要であることが示唆された。
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