研究課題/領域番号 |
16653095
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
特別支援教育
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
望月 昭 立命館大学, 文学部, 教授 (00166323)
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研究分担者 |
藤 健一 立命館大学, 文学部, 教授 (20097885)
星野 祐司 立命館大学, 文学部, 教授 (20202301)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 携帯電話 / 非音声モード / 静止画像 / 文字メール / テレビ電話機能 / 聾重複障害 / コミュニケーション援助 / AAC / QOL / ひらめきときめきサイエンス / 肢体不自由 / 写メール / 言語理解 / ろう重複障害 / 携帯電話の使用調査 / 複数モード |
研究概要 |
当研究は、重度・重複の障害のある生徒・成人に、携帯電話の非音声モードの使用を中心に、遠隔地間のコミュニケーョンの成立、およびその日常的使用を通じての日本語獲得に関するリテラシー教育の可能性を検討することを目的とした。 対象者は、知的障害と聴覚障害の重複の障害のある生徒1名、成人3名、慢性期失語症の中年男性1名で、口話による言語表出に困難があり、また、これまで携帯電話の使用経験がなかった。 重複の障害のある生徒(聾学校高等部)においては、携帯電話の静止画機能と文字モードを用いた居場所報告および相手に居所の教示要求を行う訓練が行われた。成人においては物品要求を中心に、文字メールおよびテレビ電話機能を用いた訓練が行われた。方法としては、発信・受信についての課題分析、シミュレーション場面での機能的行動の獲得、地域場面での使用というステップがとられた。 結果としては、成人には、文字入力に際して五十音表カードという「援助ツール」が有効であること、テレビ電話の使用の際には、現物中継、手話中継、そして自ら書字した文字の中継、といった複数のモードを、状況や聞き手に応じて使いわけるという機能的使用が可能であることが明らかになった。また重複の成人においては、日常の中で、携帯テレビ電話によって聾者の友人同士のコミュニケーション頻度が高まることが示された。 以上のことから、重複の障害のある個人において、携帯電話のもつ非音声の複数モードの使用は、聾者同士の、あるいは聴者とのコミュニケーションのいずれにおいても有効であり、そのことを通じて生活の質を高める可能が示された。一方で、現状の電話料金制度においてはそうした可能性を著しく限定してしまうことも判明した。
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