研究分担者 |
小谷 眞一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10025463)
眞鍋 昭治郎 大阪大学, 大学教育実践センター, 教授 (20028260)
鈴木 譲 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50216397)
高信 敏 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40197124)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
以下のような2つの研究業績を上げることができた. 1.動的ランダム・ワイル・サンプリング法は,一般の模倣可能な確率変数の平均を推定するためのペアごとに独立なサンプルを生成するモンテカルロ積分法である.これに関して,標本平均の中心極限定理のスケール極限が退化すると予想している.そのことがフォン・ノイマンの棄却法で生成されるような確率変数の場合には確かに成り立つことを証明した.したがって,その場合は,i.i.d.-サンプリングよりもずっと早く数値積分が求められることになる. 2.モンテカルロ法は確率的要素を含むあらゆる数値解析で応用されているものの,数学的に厳密に理解することは,とくにランダムサンプリングの定式化の点で困難がある.モンテカルロ法の一般的なユーザーがコンピュータによる疑似乱数生成を素直にランダム現象のシミュレーションと理解することに大きな問題は生じないが,数学者,とくに確率論研究者がモンテカルロ法の厳密な数学的定式化を知らないことは大きな問題だと考える。そのために本研究の成果を主として確率論研究者に発信するために,論文「A mathematical formulation of the Monte Carlo method」をMarc Yor教授(Paris第6大学)の勧めもあって電子ジャーナル「Probability Survey」に投稿した.この論文ではモンテカルロ法を確率的ゲーム(賭け)の形式で定式化し,そのことによってコルモゴロフの乱数理論や暗号理論における安全な疑似乱数生成器の概念がモンテカルロ法の理解と実践において有用であることを示した.
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