配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
今年度得られた主たる結果は以下のものである. 1.破壊力学における亀裂進展力となるエネルギー解放率について,Lipschitz連続な領域写像を用いてその数学的定式化を行った.更に,Frechet微分・Banach空間における抽象的パラメータ付き変分問題の一般論とLax-Milgramの定理の応用としてその領域積分表現を得た.それにより見通しのよい数学的枠組みが構築され,より弱い条件への精密化・高階エネルギー微分への拡張が得られた.(木村) 2.いくつかの自由境界問題及びパターン形成問題に対して,その数値シミュレーションと数学解析の手法の開発を行った.取り扱った問題は,流れ下における最短時間経路問題に対するマーカー粒子法の基礎付け,反応拡散系に現れるパターンダイナミクスに対するアダプティブメッシュ有限要素法の応用,などである.(木村) 3.鉄磁性体の2次元ising型spinモデル(シグマ模型)に対する連続体近似を考え,特異性の発生について考察した.(小川) 4.重力自己崩壊に関連する半線形熱方程式系の解の時間大域的存在と解の一様有界性について,球対称の解に限定して,初期条件を閾値となる8πより小さい初期値から時間大域的な有界な解が存在してなめらかに成ることを示した.(小川) 5.多孔質媒体中の流体に現れる自由境界問題の離散化として,特異極限を使った方法があり,自由境界を自然に扱うことができる.スケール変換の普遍性の手法をもとに,数値実験で絞られた候補の妥当性について検討した.(中木) 6.流体のある種の自由境界を離散的に記述する方法として,多数の渦点による近似が知られている.この渦点問題に対して,まず少数の渦点の挙動について研究した.その結果,7個の場合に緩和振動を起こすことを見つけ,数学的な証明を行った.(中木)
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