研究課題
萌芽研究
本年度の研究目的に、沿った結果として次を得た。1.多変数フックス型方程式のフロベニウスの定理を証明した。そこで、リーマンヒルベルト問題が、本質的に重要な役割を果たすことを示した。これは、共鳴を持つベクトル場の標準型に応用できる。これに関連して、ベクトル場の標準形理論でよく知られたHartmanの定理に対応する特異偏微分作用素の立場からの結果を、多変数フックス方程式に対して証明した。この定理は、特異ベクトル場の標準型の研究に応用すると、上の定理の別証明を与える。2.なめらかな関数で可積分であるが、解析関数のクラスで可積分でないハミルトン系の存在と、関係するモノドロミー現象について明らかにした。これは、発散現象とモノドロミーが、可積分性を決めてくる新しい興味ある現象であり、今後の研究が期待される。これ以外に、次の結果を得た。3.完全WKB法を、ベクトル場の標準型の問題に適用して、古典的なポアンカレの定理を、ボレル総和法の立場から、再証明した。これは、さらにストークス幾何学との関係も示唆しており、標準型理論の新しい見方をあたえる。この方法を小分母の問題に適用して、完全漸近解析の立場から、解析接続とボレル総和法を用いて、この問題のあたらしい解き方を提示した。とくに、Diophantine条件を用いないで、解を構成する方法を提示した。4.3に関係して、特異偏微分作用素で、小分母の問題が現れるときに、Diophantine条件を用いることなく、正則解が存在するための、非線形項の十分条件と必要条件を研究した。5.可換なベクトル場の系の標準型に関して、線形部分がnilpotent partを持つ場合に、現れる発散のGevrey指数は、Diophantine条件で決まることを証明し、Sternbergの定理を可換な系に対して、拡張した。
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すべて 雑誌論文 (13件)
Math. Nachr. 279.11
ページ: 1-22
数理研講究録 1424
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Tsukuba J.Math. 28・2
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数理研講究録 1377
ページ: 92-101
Algebraic Analysis of Differential Equations(Proceeding of the Conference in honor of Prof. Kawai)(Springer Verlag) (印刷中)(To be published)
Algebraic, Analytic and Geometric Aspects of Complex Differential Equations(Proceeding of the Conference) (印刷中)(To be published)
Proceedings of the Japan-France Conference (印刷中)(To be published)
ANNALES DE,L'INSTITUT FOURIER (印刷中)(To be published)
Annali di Matematica (印刷中)(To be published)
Math.Nachr. (出版予定)
数理研講究録 (出版予定)