| 研究概要 |
宇宙大規模構造の形成に重要な役割を果たす、ダークハローの合体成長過程(merging history)は宇宙論、銀河形成・進化に大きな役割を果たしている。このmerging historyを従来とは異なった方法により定量的に扱うための手法を探ることが本研究の目的であった。merging historyや宇宙の階層構造は数学的には木(tree)構造で表現される。超距離空間は木構造として表現できる代表的な空間であるが、その例としてp進数体を取り上げ、p進数体上の関数について、その階層構造を反映したウェーブレット基底の構成について、既存の研究の検討を行った。p進数体上のウェーブレット基底についてはKozyrev(2005),より一般の局所コンパクトアーベル群上の関数についてはBenedetto and Benedetto(2004)の結果を検討し、基礎となる空間の特徴がウェーブレット基底の取り方にどのように反映されるか調べた。より一般的に、rootを持つ木構造で表現される超距離空間上の関数のウェーブレット変換について、Murtagh(2006)はデータの階層構造を2進数で表現することでウェーブレット変換を構成している。このアイデアを、階層構造を表す木構造の各辺に重みを与えた場合に拡張し、重みの情報をより一般にm進数で表現する方法を考察した。現在、この拡張した木構造のウェーブレット変換の有用性について検討を進めている。
|