研究課題/領域番号 |
16654039
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
蓑輪 眞 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90126178)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ニュートリノ / 共鳴イオン化 / レーザー / 質量分析 / 微量元素分析 / QMS / 原子炉 / 共鳴イオン化質量分析 / 飛行時間 / 四重極質量分析 / マイクロチャンネルプレート |
研究概要 |
共鳴イオン化質量分析法による電子(または反電子)ニュートリノ検出器を作る可能性を調べた。特定元素が電子ニュートリノまたは反電子ニユートリノを荷電カレント弱い相互作用により捕獲した場合、原子番号が1だけ異なる元素に転換される。この原子をLASERを用いて選択的に共鳴イオン化する。まず原子の基底状態から中間の励起状態までLASER光により励起し、次に別のLASER光により原子をイオン化させる。最初のエネルギーレベル差は元素に特有なものなので、LASER光の波長を転換後の元素のエネルギーレベル差に合わせてやることによりその元素のみを選択的にイオン化することができる。イオン化された元素は、Q-mass spectrometer (QMS)により同位体分析して不純物とより分ける。 まず、従来の電子衝突イオン化のQ-mass spectrometerの検出限界を調べるために、プラスチックに封入した^<241>Amアルファ線源を真空室中において、滲出する微量ヘリウムを分析した。その結果、閉鎖空間にためられたヘリウム原子について、10^8個が検出限界であることが示された。もし、イオン化率を100%にできれば、この検出限界はヘリウム原子200個に対応する。イオン化率を上げるには、試料ガスがイオン化する前に真空ポンプにより排気されないようにすることが必要であるが、atom buncher法や超音速分子線バルブを利用することにより大きく改善できると考えられる。 次に、LASER光による共鳴イオン化実験を行うために検証しやすい物質としてカリウムを候補として、必要なLASERの性能やQ-mass spectrometerへの光の導入機構などについて設計をした。その結果、比較的安価な半導体LASERが使用可能であることがわかったため、この研究課題終了後も引き続きニュートリノ検出器の完成に向けて開発を続けたいと考えている。
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