研究課題/領域番号 |
16655008
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
冨宅 喜代一 神戸大学, 理学部, 教授 (00111766)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 極低イオン化エネルギー / 衝突誘起電子移動反応 / 溶媒和電子 / 溶媒和アルカリ金属クラスタ / クラスター |
研究概要 |
本研究では、NH_4(NH_3)_nやNa(NH_3)_n等のクラスター内で価電子が非局在化し極めて低いイオン化エネルギーをもつクラスターの衝突誘起電子移動反応のサイズ依存性を検討し、価電子の分布状態と電子移動反応の機構を解明することを目的とし、以下の研究を進めた。 1.現有の飛行時間型質量分析器と組み合わせ、差動排気が可能な衝突反応セルを新たに製作した。反応セル内にイオン引き出し用の電極を設置し、電子移動で生成するイオンを高電圧パルスで引き出し、質量分析と電子移動効率の測定を同時に行える仕様を採用した。超音速自由噴流法で生成したアンモニアクラスターにエキシマーレーザー(193nm)を照射してNH_4(NH_3)_nクラスターを生成してセル内に導入し、SF_6やWF_6等の電子受容体との衝突で誘起される電子移動反応を調べた。しかし、生成物イオンの信号強度が弱く、電子移動効率の定量的な測定に至らなかった。この原因として、セル内での多体衝突によるクラスターの崩壊と電子移動で生成するNH_4^+(NH_3)_nイオンが反応熱を伴うため、飛行時間型質量分析器ではイオン捕集効率が非常に低くなることが考えられる。この問題を解決するために、交差分子線型の反応と生成物イオンをセル直後で四重極質量フィルターで検出する反応装置を含め、反応収量の定量的な測定法の検討を進めている。 2.極低イオン化エネルギーのクラスターの開発 極低イオン化エネルギーのクラスターを開発する目的で、M(H_2O)_nM(NH_3)_n(Mg、Ca)を生成し、イオン化エネルギーと電子スペクトルの測定を行った。この結果、アルカリ金属原子の系と同様に、金属原子のクラスター内での自発的イオン化を示唆する新しい結果が得られた。また、Na多量体を含むH_2OやNH_3のクラスターについても電子受容体の可能性を検討するために、光電子分光法を用いた中性クラスターの電子構造の研究を行った。
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