| 研究概要 |
溶媒にTHF、開始剤としてナフタレンカリウム、重合温度-78℃の条件でスチレン(S)、次いで2-イソプロペニルナフタレン(N)の順にモノマーを逐次添加し、リビングポリマーを合成後,1,1-ジフェニルエチレン(DPE)でエンドキャップし、さらにジフェニルエチレン型ビニル基を有する停止剤を用いてテレケリックNSNトリブロック共重合体を合成した。分子量約2万程度の試料を合成した。また、同様の手法でポリイソプレンのテレクリックポリマーも合成した。(分子量約2万)テレケリックNSNトリブロック共重合体を高真空下、希薄THF溶液(0.1%以下)とし、これにナフタレンカリウムを添加し、末端官能基2量化反応を行い、環化を行った後、GPC分取操作により、環状NSジブロック共重合体を単離した。さらに高真空下、この環状NSジブロック共重合体に金属ナトリウムをTHF溶液中で反応させ、ラジカルアニオン化した。このラジカルアニオン化共重合体、およびテレケリックポリイソプレンの希薄THF溶液(0.2%以下)をそれぞれ調製し、両者を混合することにより環状NSジブロック共重合体の近傍でテレケリックポリイソプレンの末端官能基2量化反応を行い、ポリイソプレンの環化、すなわち、カテナン化を行った。得られた試料はまず、まずn-ヘキサンを用いて遊離ポリイソプレンの抽出を行い、ポリイソプレンホモポリマーを除去した後、さらにGPC分取操作により、高分子量成分のみ分離じ、2成分カテナン型複合高分子を単離・精製した。最終生成物(2成分カテナン型複合高分子)はUV検出器を接続したGPC分析を行い、ナフタレン環のみを波長320nmで選択検出したところ、環状NSジブロック共重合体の約2倍程度の分子量を有し、かつ比較的分子量分布の狭い成分の生成が確認された。さらに、この試料のキャスト膜の透過型電子顕微鏡観察を行ったところ、交互ラメラ構造を呈することが確認された。本研究成果は、論文準備中である(J. Am. Chem. Soc.)
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