研究課題/領域番号 |
16655049
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小松 晃之 早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (30298187)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 蛋白質 / 生物有機化学 / バイオテクノロジー / 生態系類似化学 / アルブミン多量体 / アルブミンクラスター / ヘム蛋白質 / 人工酸素運搬体 |
研究概要 |
星型に連結したヒト血清アルブミン多量体(アルブミンクラスター)にヘム誘導体を包接させたユニークな構造の合成ヘム蛋白質(アルブミン-ヘム複合体)を創製し、その水溶液が生理的膠質浸透圧を超えることなく、血液の2〜3倍量の酸素を輸送できる人工酸素運搬体となることを実証する。 第二年次も初年次に引き続き計画に沿った研究展開を実施し、予想を上回る成果を得ることができた。(1)計16〜32個の酸素配位活性中心を持つ星型アルブミン-ヘム複合体(2、3、4量体)を合成、この水溶液が血液の膠質浸透圧(24mmHg)を超えることなく、血液の1.5〜3倍量の酸素を配位輸送できることを実証した。(2)また、アルブミン-ヘム複合体の分子表面をポリエチレングリコール鎖で表面修飾すると、包接されているヘム分子が解離しにくくなる現象を偶然見出した。PEG修飾アルブミン-ヘム複合体の酸素結合能を定量的に解明した。 (1)星型アルブミンヘム複合体の高濃度酸素輸送 構造明確な星型アルブミン-ヘム複合体が、水中で酸素を可逆的に結合解離できるヘム蛋白質として機能することを確立したので、この水溶液(濃度は血中アルブミンと同じ0.75mM)中の溶存酸素濃度を定量した。32個の活性中心を持つアルブミン-ヘム4量体の場合、血液の3倍量の酸素を配位輸送できることがわかった。 (2)アルブミン-ヘム複合体の表面修飾 PEGで表面修飾したアルブミン-ヘム複合体の合成方法を確立し、その酸素結合能に及ぼすPEG鎖の影響を定量的に明らかにした。ヘムの解離を抑え、酸素錯体の安定化を可能にした本成果は、人工酸素運搬体としての実用化に大きく貢献する。
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