研究課題/領域番号 |
16655064
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境関連化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川本 卓男 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10231276)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | DNA損傷 / DNA修復 / 環境化学物質 / 動物細胞 / 解析・評価 / DT40細胞 / DNAポリメラーゼη / 色素性乾皮症 / REV1 / REV3 |
研究概要 |
現在、多くの化学物質が氾濫しているが、DNAに損傷を与えるものは、ガン化などの重篤な結果をもたらす危険性がある。したがって、化学物質のDNA損傷性の高感度な評価システムが求められている。しかし、従来法では、生物の持つ損傷修復機構などにより、高感度な評価は困難である。そこで、本研究では、DNA修復に関与する遺伝子を欠損さした株を用いることにより、高感度にDNA損傷性を評価しようと考えた。当研究室はDNA修復に関連する各種遺伝子をノックアウトしたいくつかの変異株を既に得ているが、さらにライブラリーの充実を図るため、高発癌性の遺伝疾患である色素性乾皮症バリアント群の責任遺伝子で、DNAの修復機構において重要な役割を果たしているDNAポリメラーゼη遺伝子等をノックアウトした変異株の作成を行った。これらの変異株を用いて、細胞間の情報伝達に関与する一方、発ガンへの関与が疑われている一酸化窒素(NO)のDNA損傷性の評価を行った。NO発生薬剤に対して、損傷乗り越えDNA合成(TLS)に関与するrev3の欠損株が高感受性を示し、染色体断裂も増加することが分かった。このことによりNOはDNAに損傷を与え、TLSによって誤った塩基を蓄積させ、発ガンの原因となると考えられた。また、抗がん剤であるシスプラチンはDNA架橋剤であるが、そのDNA架橋の修復機構はよく分かってないので、得られた変異株ライブラリーを用いて、この修復経路の検討を行った。その結果、TLSに関与する遺伝子rev3が重要で、次にファンコニ貧血遺伝子、三番目に、相同組換え遺伝子群が重要であることが分かった。
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