研究課題/領域番号 |
16655078
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能材料・デバイス
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
立間 徹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90242247)
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研究分担者 |
高田 主岳 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20361644)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | メカニカル電池 / エネルギー変換 / 機械・電気エネルギー / レドックスゲル / 酸化還元電位変化 / 膨潤・収縮 / 圧縮・伸張 / 内部環境変化 |
研究概要 |
本研究は酸化還元活性種を組み込んだ高分子やゲルなどを、機械的に圧縮・伸張することによって動作するメカニカル電池の開発を目指している。動作原理は、酸化還元活性種を組み込んだ有機高分子等を圧縮することにより、膜内の親水疎水、静電的相互作用や環境などを変化させ、酸化還元電位の変化を誘起し、この系を二つ組み合わせることにより、これらの電位差を外部に取り出すものである(機械→電気エネルギー変換)。本年は、機械→電気エネルギー変換と表裏の関係にある、前年度に開発したポリアクリル酸-銅ゲルアクチュエータ(電気→機械エネルギー変換素子)に光触媒である酸化チタンを内包し、光エネルギーを機械エネルギーに変換する素子を開発した。この素子は紫外光照射により膨潤し(体積比約100倍)、照射を停止すると収縮した。また少なくとも10回は膨潤収縮を繰り返せた。これとは別に、水溶性酸化還元高分子であるポリアニリンスルホン酸(PAS)に着目し、その溶解度が酸化状態によって異なる電解質の種類や濃度などを検討し、メカニカル電池開発のための基礎的な知見を得た。酸化還元高分子が溶解している状態と析出している状態では環境が大きく異なり、酸化還元電位が大きく変化することが期待される。種々の電解質を検討したところ、CaCl_2を用いた場合に、5Mの電解質濃度では酸化および還元状態のPASは共に溶解せず、濃度を低くすると酸化体の方が溶解しやすくなることを見出した。また溶解度の差は1Mで最大となることを明らかにした。これに基づき、1.0M CaCl_2水溶液中において酸化状態と還元状態のPAS修飾電極の電位差を測定したところ、約0.3Vであった。さらに20nAで定電流放電させると、2.1x10^<-5>Cの電気量が得られ、これは入力した電気量の0.6%であった。これらよりPASがメカニカル電池として動作する可能性を示した。
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