研究課題/領域番号 |
16655089
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業材料
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
木島 剛 宮崎大学, 工学部, 教授 (90040451)
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研究分担者 |
酒井 剛 宮崎大学, 工学部, 助教授 (40284567)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 複合界面活性剤 / 液晶 / ナノチューブ / 白金 / 合金 / 電解析出 |
研究概要 |
本研究では、複合界面活性剤液晶を鋳型とする合成法により、卑金属元素を含む各種の合金ナノチューブを創製し、基礎物性を評価することにより、高性能センサ、マイクロマシン等への応用を目指すことを目的とした。前年度は、C_<12>EO_9/Tween60/H_2O系液晶を反応場とする白金塩(Na_2PtCl_6)の電解析出について検討した。その結果、Tween60添加量の増加と共に極間電流値が低下すると共に、界面活性剤共存系で析出する白金は特異な形態を呈し、しかもそれがTween60の添加量によって変化することを見いだした。さらに、C_<12>EO_9/Tween60/H_2O系液晶を鋳型とする白金の水素化ホウ素ナトリウムおよびヒドラジン還元では、Tween60の分解生成物が金属粒子に吸着し、キャッピング剤として働くこともわかった。そこで本年度は、磁性と形状記憶能を併せ持つ白金/鉄Pt-Fe系合金について、複合界面活性剤系液晶を鋳型とする水素化ホウ素ナトリウムまたはヒドラジン還元ならびに同液晶を鋳型とする電解析出によるナノチューブの合成を検討した。まず、H_2PtCl_6/FeCl_3/C_<12>EO_9/Tween60/H_2O(Pt:Fe=8:2,6:4,4:6,2:8)から成る反応混合物液晶を調製し、水素化ホウ素ナトリウムによる電解を行った。その結果、X線回析により白金とともに酸化鉄と思われる回析ピークが検出され、合成段階で鉄が酸化されることが確認された。これに対して、ヒドラジン還元の場合には、電子顕微鏡で直径3-5nmの白金ナノ粒子と同様サイズの鉄系ナノ粒子が観察されるとともに、X線回析パターンに白金由来のピークに加えて鉄に起因すると思われる微弱なピークが認められた。すなわち、Pt-Fe系合金の生成は確認できないが、キャッピング効果による金属鉄ナノ粒子の生成が示唆された。電解析出については、Pt-Fe混合系については十分な電流値が得られず、析出条件を引き続き検討中である。以上、貴金属と卑金属の同時還元には一層の工夫を要するとみられ、現在のところ、合金ナノチューブの生成には成功していない。
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