研究課題/領域番号 |
16656005
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 茂雄 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (10282013)
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研究分担者 |
中島 康治 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60125622)
早川 吉弘 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20250847)
小野美 武 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (70312676)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 核スピン / トンネル磁気抵抗効果 / STM / 単原子リソグラフィー / 電解研磨 |
研究概要 |
トンネル磁気抵抗効果と電子-核スピン相互作用を用いた単一核スピン検出理論の構築を図った。核スピンとしてはSi中のP原子を想定し、ドナー電子とP原子核との磁気的相互作用のある系を考えた。核スピンと結合するドナー電子をトンネル電流のキャリアとして利用することで単一核スピンの検出が可能と考えられる。スピン検出に必要なデバイスの構成要素として、1)核スピン-ドナー電子系、2)トンネル接合用絶縁膜、3)トンネル電極用強磁性薄膜、4)キャリア電子注入用電極、という4つの要素が考えられ、数値計算等によって材料とデバイス構造を特定した。 実験面では、単一P原子の埋め込みに必要な単原子リソグラフィー、特に単水素剥離について集中的に実験を行った。STM針からのトンネル電子の注入によって、Siと水素の結合手を破壊することで水素を剥離することが可能である。以前の実験でSTM針のバイアス電圧をSi-Hの結合エネルギー程度(3.1-3.5[V])とすることで水素を剥離できることが確認されており、本年度はSTM針へ加える電圧パルスの電圧値とパルス幅など単水素剥離の実験条件の最適化を図った。剥離部分が数水素原子分に広がってしまう原因は各種分子振動モードの存在、シュタルク効果などが考えられ、これらの要因を考慮してパルス幅の精密な制御が必要という結論に至り、STM装置の改造に取り組んだ。これは現在も遂行中であり、残念ながら本課題の実デバイス上での確認は今後の課題として残った。しかしながらここで得られた成果は単一核スピン検出用トンネルデバイスの開発に対し重要な寄与を与えるものである。
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