研究概要 |
本研究は,ナノ領域でのスピン物性研究に供する新しい高輝度スピン偏極電子源の開発を目的とし,Fe,Co,Ni等の強磁性体を中心空洞に内包したカーボンナノチューブ(CNT)あるいは強磁性体金属ナノワイヤーから電界放出された電子ビームのスピン偏極率を,Mott散乱法により調べるものである。これを達成するために,本年度は以下の項目について研究を行った。 (1)遷移金属(Fe,Co,Ni)単磁区内のスピン偏極した3d電子を電界放出させることに目的に,これら金属エミッタティップを電解研磨法で作製し,その先端の単磁区上に各種CVD法を駆使してカーボンナノチューブの選択成長を試みた。 (2)作製した試料ティップについて,電界放出/イオン顕微鏡法でナノチューブ先端表面のキャラクタライズを行うとと共に電子放出特性を評価している。 (3)放出電子のスピン偏極度を昨年度設備備品として購入したMottスピン検出器で測定し,偏極度の高いエミッタティップの作製条件を検討している。
|