研究課題/領域番号 |
16656020
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
WRIGHT O・B (WRIGHT B.Oliver) 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90281790)
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研究分担者 |
松田 理 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30239024)
友田 基信 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30344485)
田村 信一朗 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80109488)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 多層薄膜構造 / フォトニック結晶 / ポンププローブ分光 / サブTHz音響フォノン / フォトニックバンドギャップ / 超高速現象 / 光音響変調器 / ピコ秒レーザー音響法 |
研究概要 |
我々は、ローマ大学「ラ・サピエンザ」のR.Li Voti博士から提供された高精度のTiO_2/Ag多層膜試料を用い、試料中を伝播するピコ秒超音波の広範囲にわたる波長依存性・時間分解の測定を行った。同期した2つの波長可変な超短パルスレーザーシステムを使い、反射率変化の応答を観測した。この試料はフォトニックバンドギャップを波長400nm以下と800nm以上の光に対してもつので、ポンプ光の波長を800nmに固定してプローブ光の波長を400nm付近のバンドギャップエッジの周りで変化させ測定を行った。 プローブ光の波長を400nmから長波長側へ走査し、プローブ光の波長により試料の反射率変化が増大することを発見した。これは、1次元フォトニック構造においてフォトニックバンドギャップが超高速音響光学作用を増大することに利用できることを結論付けるものである。 我々はまた、プローブ光が試料中で多重反射する効果も含めた転送行列法によって、試料中を伝播するピコ秒超音波による反射率変化についての数値的なシミュレーションを行った。この理論結果は、すべてのプローブ光の波長領域において実験結果と一致し、これは初めてフォトニック構造におけるピコ秒時間領域での音響光学変調を定量的に評価したことになる。 この研究は、さらに2次元や3次元フォトニック結晶におけるピコ秒音響光学作用に研究を拡張する基礎となるものである。
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