研究課題/領域番号 |
16656056
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
設計工学・機械機能要素・トライボロジー
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池内 健 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30026223)
|
研究分担者 |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 生体関節 / エバネセント波 / 水和潤滑 / プラズモン共鳴 / 金属石鹸 / 起動摩擦 / 摩擦係数 / 表面ゲル / 潤滑 / ステアリン酸カルシウム / ステアリン酸リチウム / 摩擦試験 / 定常摩擦 / 吸着 / 関節軟骨 |
研究概要 |
1.エバネセント波によってプリズムから100ナノメートル以内のコラーゲン線維密度を検出する技術を関節軟骨の摩擦試験における、その場観察に応用した結果、正常軟骨ではコラーゲン線維がプリズムに徐々に接近するのに対して、表面を拭った軟骨では、はじめから存在しており、酵素処理した軟骨では接近が妨げられることを明らかにした。 2.軟骨が離れると短時間で水が表面層に吸収されるため、再び負荷されたときには摩擦が低く、界面におけるコラーゲン線維密度が低いが、時間の経過につれて摩擦係数とコラーゲン線維密度が徐々に高くなることを明らかにし、水和潤滑の基礎特性を明らかにした。 3.表面プラズモン共鳴を利用して軟骨の摩擦試験中にコラーゲン線維とコンドロイチン硫酸を検出した。その結果、表面を拭った軟骨ではコラーゲン線維の密度が高いのに対して、コラーゲナーゼ処理した軟骨ではコンドロイチン硫酸の濃度が高かった。いずれの場合にも正常な軟骨より摩擦係数が高かったことから、水和潤滑において摩擦係数を低下させるためには、親水性高分子が表面に固定されていなければならないことが明らかになった。 4.金属石鹸を混入したポリウレタンとポリエチレンを用いて流動パラフィン中で摩擦試験を行った結果、試験前に試料を潤滑剤に浸しておくと起動摩擦が低いことを明らかにした。また金属石鹸としてステアリン酸リチウムの方がステアリン酸カルシウムより摩擦の低下に有効であることを確かめた。 5.金属石鹸の添加量が少ないと効果が少なく、多すぎると表面あらさが大きくなっていずれも摩擦係数が上昇することから、金属石鹸添加量の最適値がわかった。 6.高分子材料に添加した金属石鹸は、境界潤滑剤として働き、起動摩擦を低下させるが、定常運転中にはほとんど効果が見られなかった。
|