研究課題/領域番号 |
16656093
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
井口 家成 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10011173)
|
研究分担者 |
内山 哲治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (10323784)
|
研究期間 (年度) |
2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 異方的超伝導体 / d波 / 酸化物高温超伝導体 / ジョセフソン効果 / トンネル効果 / ニューロデバイス / ランプエッジ接合 / 走査SQUID顕微鏡 |
研究概要 |
本研究の目的は異方的d波オーダパラメータをもつ酸化物高温超伝導体と等方的なs波オーダパラメータをもつ金属超伝導体のジョセフソン接合、トンネル接合のアレイを作製し、新しいニューロ型超伝導デバイスの開発を行うことを目的としている。異方性が存在すると、トンネル電流、ジョセフソン電流が接合界面と高温超伝導薄膜の結晶軸のなす角度に大きく依存する。これについては計算シミュレーションを行った。 実際の高温超伝導体と金属超伝導体の接合の作製技術はこれまで確立したものはなく、研究は良質な高温超伝導体薄膜(YBa_2Cu_3O_7(YBCO),Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ>(Bi-2212))の堆積、Nb, MgB2の薄膜の成長からスタートした。特に異方的超伝導体の応用として有望なBi2212は、薄膜成長そのものの作製技術も確立していなく、パルスレーザアブレーション法により堆積時の基板温度、酸素ガス圧、また熱処理条件を精密に制御することにより、転移温度Tcが70K-80KのBi-2212薄膜が得られる条件を確立した。またMgB_2の薄膜の堆積については、高温におけるMgの昇華を抑えるキャップ法を開発し、良質な膜が得られた。 接合作製については、2つの膜を直接接触させたYBCO/Pb接合,Bi-2212/MgB_2接合では良好な接合が得られなかった。2つの電極間に極薄のAg膜をin-situで挿入させることにより、Bi-2212/Ag/MgB_2の接合を作製することに成功した。その結果、ギャップ構造、アンドレーフ反射を反映する準粒子トンネル電流が観測され、Bi-2212およびMgB2の超伝導ギャップ状態について重要な情報が得られた。しかしジョセフソン電流については、残念ながら観測にまで至らなかった。 走査SQUID顕微鏡による観測はバイクリスタル基板を用いた接合では、d波特有なフラクショナル磁束量子が観測されたが、アレイ接合については良好な試料作製までには至らなかった。
|